SnowflakeのCIOに聞く「Snow on Snow」–AI/ML機能など自社製品を社内利用する狙い

今回は「SnowflakeのCIOに聞く「Snow on Snow」–AI/ML機能など自社製品を社内利用する狙い」についてご紹介します。

関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 テクノロジー企業が自社の製品を利用する「カスタマーゼロ」(ゼロ番目のクライアントという意味)。Snowflakeでは「Snow on Snow」という取り組みで進めている。プログラムを立ち上げたのは、5年前に最高情報責任者(CIO) 兼 最高データ責任者(CDO)に就任したSunny Bedi氏だ。

 Snowflakeが6月に開催した「Snowflake Summit 2024」で、Bedi氏に社内での技術活用について聞いた。

–Snow on Snowの目的や役割について教えてください。

 Snowflakeの社内システムは全てがクラウドで動いており、Snowflakeが提供する技術の大部分を利用している。私が最初に取り組んだプロジェクトの一つは、Snowflakeの社内活用をどのように形式化し、そこからメリットを最大限に享受するかということ。以前からそうした取り組みはあったが、十分に形式化されていなかった。

 そこで、自社製品を自ら利用してみて、エンジニアとプロダクトチームにフィードバックを返し、最終的にリファレンスアーキテクチャーとして形式化した。これにより、営業担当者は活用事例として顧客への提案に活用できる。

 ITチームとデータチームの活用事例が多いが、財務部門などのデータサイエンスチームにもプログラムに参加してもらっている。プロダクトチームとは隔週でミーティングを実施しており、営業、人事、財務、マーケティングなどの部門も参加してフィードバックを行っている。

 Snowflakeの導入を決定するのは、(自分と同じ)CIOやCDOだ。営業チームなどと客先に同行することで、Snowflakeの活用方法について一緒に議論ができる。

–Snow on Snowを通じて製品化された機能や改善された事例はありますか?

 コネクターに関しては、たくさんフィードバックを送った。例えば、SnowflakeはITチケット管理などに「ServiceNow」を使っており、Snowflakeと連携すると便利なのでコネクターの作成を依頼した。両社の協力で開発されたコネクターは、まず自社内で使ってみて、十分に使えると分かってから公開した。現在、このコネクターは一般提供(GA)されている。

 ほかでは、SaaSベンダーのデータ共有について、われわれのフィードバックから実現したものもある。

–日本の顧客ともやりとりすることはあるのでしょうか?

 日本にいる複数のユーザーとやりとりした。日本のユーザーは非常に先進的で、議論をするたびに驚かされる。アプリケーションのモダナイゼーションを進めていたり、クラウドで先進的な取り組みをしたりしている。クラウドへの投資意欲が高く、機械学習(ML)やAIなどの技術への関心も高い。

–直近では「Snowflake Cortex AI」の強化などを発表しています。SnowflakeでのAI/ML活用について教えてください。

 現職に着任してからはMLに取り組んできた。現在は生成AIがブームだが、以前からAIを積極的に活用していた。

 新型コロナウイルス感染症の以前、Snowflakeの従業員は1500人以下だったが、現在では7000人に増えている。コロナ禍に多くの従業員を雇用したが、2023年はIT企業の多くがレイオフをしたように景気の先行きが不透明になり、この1年半はコストの最適化がテーマとなっている。その一環として開発したのが、「Snow Patrol」というライセンス管理アプリである。

 例えば、従業員には30種類の業務アプリにアクセスする権限があるものの、その役割や部門に応じて、実際に必要なのはそのうちの10種類だけだということが分かった。通常は、ライセンス契約を更新する際にベンダーと調整するが、われわれは従業員の行動をMLで分析して、アプリの利用状況に基づいて不要なアクセス権を自動的に削除することができる。

 一方で、たとえ普段は利用しないアプリであっても、まれに活用する場面が出てくることもあるだろう。その際には、チケットを作成すれば、10分以内にアクセス権を取り戻すことができる。

 このように必要な分だけライセンスが行きわたるようにすることで、まずは余分なライセンスを生み出さないようにし、ライセンス更新時にコストを削減できる。実際、この取り組みで500万ドル以上を削減した。

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