シンガポールの植物由来肉スタートアップNext Genがシード投資10.6億円を調達

今回は「シンガポールの植物由来肉スタートアップNext Genがシード投資10.6億円を調達」についてご紹介します。

関連ワード (Next Gen、シンガポール、代替肉、資金調達等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


シンガポールは、代替肉の開発を支援する政府の取り組みなどもあり、急速にフードテックスタートアップの拠点となりつつある。そこに参入した新興企業の中にNext Gen(ネクスト・ジェン)がある。同社は2021年3月、シンガポール国内のレストランに向けて、植物由来「チキン」のブランドTiNDLE(ティンドル)を立ち上げる。また同社は米国時間2月24日、1000万ドル(約10億6000万円)の資金調達を発表した。このシード投資ラウンドに参加したのはTemasek、K3 Ventures、EDB New Ventures(シンガポール経済開発庁の投資部門)、NX-Food、FEBE Ventures、Blue Horizonとなっている。

Next Genは、PitchBookの調査データをもとに、これは植物由来食品技術の企業が調達したシードラウンドの中で最大の投資額だと主張している。同社が外部から投資を受けたのはこれが初めてながら、当初の目標額700万ドル(約7億4200万円)を上回った。Next Genは2020年10月、Timo Recker(ティモ・レッカー)氏とAndre Menezes(アンドレ・メネゼス)氏によって、資本金220万ドル(約2億3300万円)で創設された。

Next Genの最初の製品は、TiNDLE Thy(ティンドル・サイ)という鶏もも肉の代替品だ。材料は水、大豆、麦、オート麦繊維、ココナッツ油、結着剤のメチルセルロースなどとなっているが、チキンの風味は、ひまわり油などの植物油と天然の香味料で作られ、鶏肉と同じように調理できる。

Next Genの最高執行責任者メネゼス氏がTechCrunchに話したところによると、同社の目標は、Impossible(インポッシブル)やBeyond(ビヨンド)が植物由来ハンバーガーのリーダーであるように、植物由来チキンの世界的なリーダーになることだそうだ。

「消費者も料理人も、鶏肉の食感、味、香りを求めます。その多くは鶏肉の脂によるものです。私たちが胸肉ではなく、もも肉でスタートしたのはそのためです」とメネゼス氏。「私たちは、Lipi(リピ)というブレンドで鶏の脂を作りました。香りと、焼いたときに茶色くなるところを再現しています」。

レッカー氏もメネゼス氏も、食品業界での長い経験を持つ。レッカー氏はドイツで植物由来の代替肉を作る企業LileMeat(ライクミート)を創設している。2020年この会社はLIVEKINDLY Collective(ライブカインドリー・コレクティブ)に買収された。メネゼス氏の食品産業でのキャリアはブラジルで始まった。世界最大級の鶏肉輸出国だ。彼は革新的で持続可能な製品を中心的に輸入と流通を行うシンガポールの会社Country Foods(カントリー・フーズ)でゼネラルマネージャーを務めた後、植物由来代替肉の会社で働き始めた。

「かなりの長期間を食肉産業で過ごしてきた私は、長い目で見たらそこは持続可能な業界ではないと悟ったのです」とメネゼス氏はいう。

この数年間、同じように感じる消費者が増えきたことを受けて、彼は動物由来食品に代わるものを探し始めた。UBSは、人々はビーガンや菜食主義者でなくても、より健康的で人道的なタンパク源を好むようになり、2025年には世界の植物性タンパク質市場の複合年間成長率は30パーセント以上となり、500億ドル(約5兆3000億円)規模になると予測している。

特にミレニアル世代とZ世代の消費者は、畜産業による環境への影響の意識の高まりから、肉、卵、乳製品の消費を減らしたいと考えるようになっている。「彼らは食品ごとの持続可能性と、コレステロールや栄養価といった健康面をよくわかっています」。

ナトリウムと飽和脂肪が少ないTiNDLE Thyは、シンガポール健康促進局のHealthier Choice Symbol(健康的な選択マーク)を授与されている。Next Genが今回調達した資金は、TiNDLE Thyのローンチに役立てられる。最初は、シンガポールの人気レストランThree Buns Quayside、the Prive Group、28 HongKong Street、Bayswater Kitchen、The Goodburgerに製品が提供される。

1〜2年後には、Next GenはシリーズA投資ラウンドを立ち上げ、ブランドや製品を増やし、ターゲットとする市場も、米国(現在流通ネットワーク構築のための成長担当ディレクターを募集中)、中国、ブラジル、ヨーロッパへと拡大していく予定だ。レストランと共同で事業を展開した後は、Next Genは家庭向けにも製品を販売する計画を立てている。

「最初に料理人に提供する理由は、彼らは大変に厳しい評価を下すからです。もし料理人がこの製品に満足できたなら、消費者も喜んでくれると確信できます」とメネゼス氏は話していた。

関連記事:Beyond Meatの代替肉バーガーが中国アリババのスーパーに登場

画像クレジット:TiNDLE/Next Gen


【原文】

Singapore is quickly turning into a hub for food-tech startups, partly because of government initiatives supporting the development of meat alternatives. One of the newest entrants is Next Gen, which will launch its plant-based “chicken” brand, called TiNDLE, in Singaporean restaurants next month. The company announced today that it has raised $10 million in seed funding from investors including Temasek, K3 Ventures, EDB New Ventures (an investment arm of the Singapore Economic Development Board), NX-Food, FEBE Ventures and Blue Horizon.

Next Gen claims this is the largest seed round ever raised by a plant-based food tech company, based on data from PitchBook. This is the first time the startup has taken external investment, and the funding exceeded its original target of $7 million. Next Gen was launched last October by Timo Recker and Andre Menezes, with $2.2 million of founder capital.

Next Gen’s first product is called TiNDLE Thy, an alternative to chicken thighs. Its ingredients include water, soy, wheat, oat fiber, coconut oil and methylcellulose, a culinary binder, but the key to its chicken-like flavor is a proprietary blend of plant-based fats, like sunflower oil, and natural flavors that allows it to cook like chicken meat.

Menezes, Next Gen’s chief operating officer, told TechCrunch that the company’s goal is to be the global leader in plant-based chicken, the way Impossible and Beyond are known for their burgers.

“Consumers and chefs want texture in chicken, the taste and aroma, and that is largely related to chicken fat, which is why we started with thighs instead of breasts,” said Menezes. “We created a chicken fat made from a blend, called Lipi, to emulate the smell, aroma and browning when you cook.”

Both Recker and Menezes have years of experience in the food industry. Recker founded German-based LikeMeat, a plant-based meat producer acquired by the LIVEKINDLY Collective last year. Menezes’ food career started in Brazil at one of the world’s largest poultry exporters. He began working with plant-based meat after serving as general manager of Country Foods, a Singaporean importer and distributor that focuses on innovative, sustainable products.

“It was clear to me after I was inside the meat industry for so long that it was not going to be a sustainable business in the long run,” Menezes said.

Over the past few years, more consumers have started to feel the same way, and began looking for alternatives to animal products. UBS expects the global plant-based protein market to increase at a compounded annual growth rate of more than 30%, reaching about $50 billion by 2025, as more people, even those who aren’t vegans or vegetarians, seek healthier, humane sources of protein.

Millennial and Gen Z consumers, in particular, are willing to reduce their consumption of meat, eggs and dairy products as they become more aware of the environmental impact of industrial livestock production, said Menezes. “They understand the sustainability angle of it, and the health aspect, like the cholesterol or nutritional values, depending on what product you are talking about.”

Low in sodium and saturated fat, TiNDLE Thy has received the Healthier Choice Symbol, which is administered by Singapore’s Health Promotion Board. Next Gen’s new funding will be used to launch TiNDLE Thy, starting in popular Singaporean restaurants like Three Buns Quayside, the Prive Group, 28 HongKong Street, Bayswater Kitchen and The Goodburger.

Over the next year or two, Next Gen plans to raise its Series A round, launch more brands and products, and expand in its target markets: the United States (where it is currently recruiting a growth director to build a distribution network), China, Brazil and Europe. After working with restaurant partners, Next Gen also plans to make its products available to home cooks.

“The reason we started with chefs is because they are very hard to crack, and if chefs are happy with the product, then we’re very sure customers will be, too,” said Menezes.

(文:Catherine Shu、翻訳:金井哲夫)

資金調達とは何? Weblio辞書

資金調達とは?OR事典。 読み方:しきんちょうたつ【英】:financing所要資金を集めることで, 資金には設備などの固定資産に用いる長期資金と, 現預金・売掛金・在庫などの流動資産に充てる短期資金とがある. 前者は主に株式...

資金調達の種類、方法、メリット、デメリットまとめ【2020 …

起業を考えている方の大きな悩みになるのはやはり資金。最初は小さく事業をスタートしたとしても、事業が拡大していくにあたって資金が必要になったり、最初に投資をするような事業の場合には自己資金だけでは、なかなか事業が立ち上がらないということもあります。ここでは、資金調達の全体概要と、それぞれのメリット、デメリットなどを丁寧に解説したいと思います。

事業資金はどのように調達方法は銀行以外にも多種多様!その ...

事業活動において資金調達は欠かせない作業であり、資金の使途や目的、必要とするタイミングなどにより銀行以外の方法を活用したほうがよい場合もあります。そこで、事業資金を調達する方法の種類と、それぞれどのような内容なのか解説していきます。

企業の資金調達とは?|わかりやすくFP解説

企業の資金調達について、間接融資・直接融資といった借入形態や助成金などを中心にわかりやすく解説しています。また、企業の資金調達に関するよくある質問も記載していますので、是非参考にしてください。

株式会社 - 資金調達 - Weblio辞書

株式会社 資金調達 会社が事業を行うためには、資金が必要である。会社を設立する際には、前述のように、株式を発行して外部から資金を調達する必要があるが、設立後は、内部資金と外部資金という二つの資金源が考えられる&#...

脱炭素、投資拡大へ開示強化 金融庁、企業に促す―資金調達 ...

脱炭素社会の実現に向け、環境問題などに積極的に取り組む企業を選んで投資する「ESG投資」が世界で急拡大している。日本企業にとっては、脱炭素化を進め国際的な競争力を高めるため、こうした海外投資家からの資金調達が必要になる。ただ、日本国内の投資額は欧米に比べ見劣りするのが実情。金融庁は企業に情報開示の強化を促し、ESG投資を国内に呼び込む考えだ。 国際エネルギー機関(IEA)は、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の実現には2040年までに世界全体で最大8000兆円の投資が必要と試算。民間調査によ…

資金調達 | 三菱UFJ銀行

 · 三菱UFJ銀行による法人向けのサービスや商品のご案内です。資金調達についてご案内します。 東京23区内、大阪市内、名古屋市内に所在する中小企業のお客さまは、インターネットによるお借り入れのご相談をお申込みいただけます。

資金調達をする前に資金繰り計画表や財務戦略の再確認を ...

企業は、事業を継続させるためには必ず資金が必要です。事業運転資金や設備資金、仕入資金などを自己資金で賄えない場合、資金調達が必要となってきます。また、調達しただけではなく、その後の資金繰りや財務戦略も大切になってきます。当ページでは資金調達から、財務戦略。そして資金調達の本当の目的までをご紹介。

2020年に資金調達したスタートアップは1686社、前年よ …

フォースタートアップスは2月18日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」における2020年の国内スタートアップ投資の概況と動向について、2019年と比較した調査内容を発表した。

資金調達に関するプレスリリース・ニュースリリースのPR TIMES

 · シルタス、約5億円の資金調達を実施〜小売業のDX支援を推進し、買い物から健康に。誰もが簡単に健康になれる社会の実現を目指します〜 2021年2 ...

ファクタリングで即日、資金調達:クイックマネジメント

ファクタリングで資金問題を解決。経営者の悩みの種である事業の資金繰り問題。売掛債権を譲渡することによって現金を調達することのできるファクタリングなら、未回収リスクも軽減。あなたの会社に売掛金さえあれば即日で資金調達することができます。

資金調達支援事業 | 株式会社SoLabo

「融資であなたの夢を目標に変える」という理念のもと、『融資のプロ』として業務を行っております。お金がないから開業できないと諦めてしまっている方でも、弊社を通していただくことで融資を受けられる可能性が大幅に上がります。

日本公庫の資金の流れ|日本政策金融公庫

日本公庫は、政策金融機関として、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、 国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能(国内金融業務) 内外の金融秩序の混乱、大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するため …

【2月第3週資金調達まとめ】AI契約書レビュー支援ソフトウェ …

国内の成長産業及びスタートアップに関する幅広い情報を集約・整理し、検索可能にした情報プラットフォーム「STARTUP DB」では毎週、資金調達のサマリーを発表している。この記事では、2月3週目の“注目のトピック”とし

資金調達のノウハウを紹介する情報サイト|資金調達のミカタ

「資金調達のミカタ」は、資金調達のノウハウを紹介する情報サイトです。 中小企業や個人事業主の資金調達をサポートすべく、最新の情報を発信しています。

開業資金調達方法/工藤公認会計士税理士事務所

開業資金の調達先としては、日本政策金融公庫がもっともすぐれています。事業計画がしっかりしていれば、無担保・無保証で最短で3週間程度で資金を融資してくれるからです。

資金調達BANK|資金繰り・銀行融資・資金調達方法を金融の ...

資金調達BANKは【資金調達の専門家】が銀行融資・公的融資(制度融資)・ビジネスローン・不動産担保ローン・ファクタリング・手形・助成金(補助金)・出資・株主割当・ベンチャーキャピタル・エンジェル・資産の売却・リースの活用など、様々な資金調達方法について、図解して丁寧に解説しています。資金調達方法の解説だけでなく、「資金繰りを改善するために何をすれば良いのか?」「融資審査に通らないときの対策」「資金繰りを悪化させないための収益性の高い経営方法」「起業直後でも利用できる補助金・助成金の取り方」「銀行融資を受ける交渉のコツ」など、実務的に役に立つ資金調達方法も紹介しています。資金調達・資金繰りに悩む経営者や経理・財務の方必見です!

SpaceXによる約897億円新資金調達をSECへの提出書類で確認 ...

CNBCが報じたSpaceXの先週の8億5000万ドル(約896億9000万円)の資金調達に関して、公式の声明などは何もないが、米国証券取引委員会(SEC)は米国時間2月23日、そのラウンドを確認した。

クラウドファンディングとは?資金調達のためのメリット ...

クラウドファンディングは新しい資金調達の方法として注目されています。支援者がリターンを得られる投資型のほか、購入型・寄付型といった特典の種類があります。ここでは、知っておきたいクラウドファンディングの仕組みやメリット、注意点などを解説します。

資金調達率(ファンディング)を理解してトレードに活かす ...

このページでは資金調達率(英語名:Funding Rate/ファンディングレート)について解説しています。 この記事で書いていること 資金調達率(ファンディング手数料)とはなにか なぜこのような仕組み

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
Node.jsとJavaScriptアプリを単一の実行ファイルにする「Single Executable Applications」機能、Node.js 19.7.0で実験的機能として搭載
JavaScript
2023-02-27 19:01
アドビとDNP、コンテンツ制作支援サービスを共同開発へ 素材管理、配信、広告の効果測定など
クラウドユーザー
2021-02-20 21:12
COBOLの利用、従来予測の約3倍との調査結果
IT関連
2022-02-12 16:04
ラオックス、7店舗を閉店へ インバウンド需要の減少で 今後はアジア雑貨に注力
くらテク
2021-08-17 02:23
津波シミュレーターに竜巻発生装置……最新の「気象科学館」人気
IT関連
2021-02-16 19:59
freee、「freee請求書」スマホアプリを提供–インボイス制度対応の請求書が外出先で発行可能に
IT関連
2023-09-08 14:28
日本企業の人的資本経営を支援–ワークデイ・正井社長
IT関連
2023-01-11 00:36
国内製造大手の現場で採用広がるクラウドやAI–マイクロソフト顧客の事例
IT関連
2022-03-17 15:13
情報漏えい対策のいま–国内外の個人情報やプライバシーを守る動き
IT関連
2024-03-08 21:31
富士通、ローカル5Gの屋外検証環境を整備
IT関連
2022-06-23 15:53
ボストン・ダイナミクスの倉庫ロボットがDHLから約17.2億円の業務を受注
IT関連
2022-01-28 22:59
ドキドキが視聴者に伝わるゲーム実況向け“ゲーミング腕時計” ガーミンが開発 実際に試してみた (1/2 ページ)
くわしく
2021-02-10 11:29
沖縄科学技術大学院大学がDNAの作用で自己組織化・分解するゲルブロックを作製、組織工学・再生医療への応用の可能性も
IT関連
2022-02-03 00:31
「ちゃお」の付録に電子メモパッド 「おうちで何度も楽しめるものを考えた結果」
企業・業界動向
2021-08-04 23:19