New Relic、「APM 360」と「Infrastructure」のアップデートを発表
今回は「New Relic、「APM 360」と「Infrastructure」のアップデートを発表」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームを提供するNew Relicは7月27日、アプリケーションパフォーマンスモニタリング(APM)「New Relic APM 360」と「New Relic Infrastructure」のアップデートを発表した。
現在、多くの企業においてビジネスの中核をなすデジタルシステムは、ビジネスニーズに即応するため、改善サイクルを素早く回すことが強く求められているとコンサルティング部 兼 プロダクト技術部 部長を務める齊藤恒太氏は述べる。
そのためには、デジタルシステムのライフサイクルに関わる開発や運用といったステークホルダー全員がシステムの問題を迅速に把握し、コミュニケーションを効率的にしながら解決する必要がある。New Relicでは、その実現に向け、全てのエンジニアがオブザーバビリティを実践できる「民主化」を推進しており、今回のアップデートは、その民主化を加速するためのものだと齊藤氏。APMとその周辺で収集されるさまざまなデータとの連携を強化し、組織全体でオブザーバビリティの効果を広げていくようになっている。
アップデートのポイントとしては、(1)APM 360という名前が示すように全方位で見落としなくシステムの状況を把握、(2)システムの複雑化・大規模化に伴い工数が増えるトラブルシュートを効率化、(3)サービスやビジネスの視点でシステムデータを分析できるよう、システムとビジネス/ユーザー体験の連携強化ーーがある。
(1)については、これまで、Dev/Sec/Ops/Bizに関する情報を個別の機能で可視化しており、それぞれ一つずつ確認するか、手動でダッシュボードを作る必要があった。そのため、APMのメイン画面にDev/Sec/Ops/Bizの重要指標を一望できるビューが用意された。Dev/Sec/Ops/Bizの担当者が同じ情報を見られる環境を作り出すことで、情報のサイロ化を防ぎ、コミュニケーションの効率化により改善サイクルを高速化できる。
また、アラートなどの設定や計装に不備がある場合、その旨が表示され、問題の解消に向けたアクションをガイドに従ってユーザーインターフェースから実装することが可能。人的ミスを排除してシステムのリスクを低減できる。
(2)については、現在、サードパーティーサービスの利用やマイクロサービスアーキテクチャーの採用などによりシステム構成が複雑化し、表面化している問題の根本的な原因を特定するのが難しくなっている。この課題を解決するため、分散環境における下流の問題も自動的に発見・統合して可視化できるようになった。これにより、手動で時間のかかる調査が不要になる。
さらに、ワンクリックで問題の根本原因に到達できたり、問題が起きている状況をピンポイントで確認できたりする。
(3)については、例えば、CPUの利用率が90%に達していても、アプリケーションが問題なく動作し、ユーザー体験に悪影響がなければ、CPUの利用率が高いこと自体は問題ないと言える状況がある。このように、システムのパフォーマンスは、それだけで見るものではなく、サービスの品質やユーザーの体験と組み合わせて見るのが非常に重要と齊藤氏は述べる。
今回のアップデートにより、インフラの負荷やサイジングによるサービス品質への影響を同一画面で把握できるようになった。サービスに発生しているエラーのユーザーに対する影響も確認でき、重要度の高いエラーを即座に把握して優先的に対応できるという。
New Relicでは、今回のアップデートに加え、自然言語によるクエリーを可能にする生成AIアシスタント「New Relic Grok」の提供を5月に、「AWS Systems Manager」「Amazon Security Lake Logs」「Azure Monitor」などとのクラウド連携強化によるエコシステムの拡大を6月に発表している。
執行役員で最高技術責任者(CTO)を務める松本大樹氏は、これらによって、エンジニアだけでなく、経営層やビジネス責任者といった非エンジニアに向けてもオブザーバビリティを民主化し、最終的にはエンジニアと非エンジニアが共通の言語を持ってビジネスを進めていくのが重要との考えを示した。