SASのCTOがほのめかしたAI&アナリティクスの「ライトな」製品計画

今回は「SASのCTOがほのめかしたAI&アナリティクスの「ライトな」製品計画」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の「今週の明言」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、SAS Institute EVP 兼 CTOのBryan Harris氏と、IIJ 代表取締役社長の勝栄二郎氏の発言を紹介する。

 米SAS Institute(以下、SAS)の日本法人SAS Institute Japanは7月27日、ユーザー企業向けにAI&アナリティクスの最新動向や活用事例を紹介するプライベートイベント「SAS INNOVATE ON TOUR」を都内で開催した。冒頭の発言は、この機に米国本社から来日して同イベントで基調講演およびメディアのグループインタビューを行ったEVP(エグゼクティブバイスプレジデント) 兼 最高技術責任者(CTO)のBryan Harris(ブライアン・ハリス)氏が、グループインタビューで「SASのAI&アナリティクスをもっと多くのユーザーが簡単に使えるようにする製品を出すつもりはあるか」と聞いた筆者の質問に答えたものである。

 その質疑応答の前に、Harris氏が同イベントの基調講演で話した「SASが目指す方向性」についての内容も興味深かったので紹介しておこう。

 同氏はSASが目指す方向性として、「データ管理の強化」と「ジェネレーティブAI(以下、生成AI)との一元化」を挙げた。

 データ管理の強化については、これまでの一般的なデータ管理は時間的に80%を加工に費やしており、分析は20%に過ぎなかった。しかし、SASのAI&データ管理基盤である「SAS Viya」では、加工は20%で分析に80%を費やせるようにしており、さらに分析に注力できる方向へ強化していく計画だ。

 生成AIとの一元化については、SAS Viyaにおいて合成データやコードとフロー、マーケティングコンテンツの生成に活用し、データ管理における生産性や信頼性、コストパフォーマンスのさらなる向上を図っていく構えだ(写真1)。

 そして、グループインタビューでは、「SASのAI&アナリティクス製品はデータ分析のエキスパートだけが使用する印象があるが、もっと幅広くビジネスパーソンや中小企業でも手軽に使えるようなライトな製品を出すつもりはあるか」との筆者の質問に、Harris氏は次のように答えた。

 「SASのAI&アナリティクスをさらに世の中に広げていくために、これまでよりもっと簡単に使える製品を提供してユーザーの裾野を広げていく必要があることは、私も認識している。SASはこれから、さらに幅広いマーケターの要望に応えていかなくてはならない。そうしたニーズに対応する製品も開発しており、間もなく提供する計画だ」

 冒頭の発言は、このコメントから抜粋したものである。

 さらに、Harris氏は生成AIについて、「非常にエキサイティングなテクノロジーだ。ただし、生成AIはあくまでもAI全体のコンポーネントの一つに過ぎない。今後、さまざまな用途に対してさまざまなAIの機能が使われるようになる。SASはそれらをいち早くアナリティクスに生かしていく」とも語った。CTOの顔が前面に出たコメントだった(写真2)。

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