オートデスクが提唱する「アウトカムベースBIM」とは

今回は「オートデスクが提唱する「アウトカムベースBIM」とは」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Autodeskは米国時間11月13~15日にかけてラスベガスで年次カンファレンス「Autodesk University 2023」(AU 2023)を開催した。ビジネスストラテジー&マーケティング部門で建築・工学・施工(AEC)業界を担当するバイスプレジデントのNicolas Mangon氏は、日本の参加者向けにAEC業界向けの戦略と展望を語った。

 同社は、「建築」「運輸」「水道」「工業」の4つの領域でAEC業界にソリューションを提供しており、その使命は「デジタル資産のライフサイクル管理プロセス全体をサポートすること」だという。1982年の創業以来、手書きの図面作成からコンピューター支援設計(CAD)への移行や、ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)やそのクラウド型となるConnected BIMの普及など、AEC業界のデジタル変革(DX)をリードしてきた。しかし、Mangon氏は「BIMはCADに取って代わるものではなく、CADと共存するもの」と説明する。

 Mangon氏は昨今の世界の潮流として、「リモートワークの拡大」「労働人口の減少」「テクノロジーの進化」の3つを挙げ、これらの変化に対応するには「新しいパラダイムが必要」だと述べる。そして、AEC業界において同社が現在提唱するのが「アウトカムベースBIM(Outcome-based BIM)」になる。

 アウトカムベースBIMとは、プロジェクトの目的や基準をアウトカムとして事前に定義し、それに基づいて計画・設計・施工・運営の各段階でアセットやデザインを効率的かつ効果的に生成するアプローチである。その実現のためには、「データと人工知能(AI)が不可欠」だとMangon氏は強調する。

 同氏は、「繰り返しタスクの自動化」「人間による設計能力の強化」「重要な洞察の提供」の3つの領域でAIがAEC業界に貢献できると考えており、「限られたリソースと人材で、より良い資産をより多く生み出すこと」が現在の重要な課題だという。

 AU 2023で発表された「Autodesk AI」は、この課題に応えるために開発されたものである。アウトカムベースBIMでは、アウトカムを事前定義するだけで、AIが膨大な量の選択肢を探索し、その中から最適解を提案する。最終的な決定は人間が行うが、AIは人間のフィードバックを使用してさらに学習していく。また、プロジェクトなどから得られたデータも改善に活用する。

 AIが機能するには学習が不可欠であり、そのためには大量のデータが必要になる。Mangon氏によると、AEC業界ではプロジェクトデータとコンテキストデータの2種類があり、Autodeskのプラットフォームではそれらを単一のデータソースとして連続的につながったデジタルスレッドを形成していると説明する。「こうしたデータが土壌となって、木(AI)の栄養となる」と例える。

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