KDDIと椿本チエイン、物流倉庫の自動化に向け合弁会社を設立
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KDDIと椿本チエインは1月16日、物流倉庫の自動化や無人化に向けたソリューションを展開する新会社「Nexa Ware」を合弁で設立し、4月1日に事業を開始すると発表した。物流サプライチェーンのデジタル変革(DX)を推進していくという。
新会社は、物流倉庫の運営における(1)機器・自動化システムの開発、販売、コンサルティング、(2)ITシステムの開発、コンサルティング、(3)パッケージソフトの開発、販売、ITネットワーク構築、コンサルティング、(5)運用保守サービス――を手掛ける。出資比率は椿本チエインが51%、KDDIが49%で資本金の規模は非公開。事業開始時点で従業員数22人を予定する。事業開始5年後時点で年間80億円程度の売り上げを見込む。
KDDIと椿本チエイン、椿本マシナリーは、2022年11月に「倉庫自動化ソリューション」の提供に向けて協業を開始している。KDDIによれば、これまでの間にKDDIが販売するスマートフォン機器などを扱う同社の物流センターにおいて倉庫の自動化や無人化につなげるソリューションやテクノロジーの有効性を検証できたことから、今回の合弁新会社の設立に至った。
両社では、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が規制される4月以降に荷物の輸送力が大きく減少する「2024年問題」と、日本の総人口減少により物流人材が著しく減少する「2030年問題」によって、倉庫を含む物流サプライチェーンの自動化、省人化が喫緊の問題だと指摘。現在は倉庫の自動化ソリューションが注目され、マテリアルハンドリング(マテハン)システムや自動運搬車(AVG)、自律移動ロボット(AMR)の活用が期待される。しかし、導入可能なシステムや機器がメーカーごとに限定されることや、倉庫独自の業務プロセスなどよって全体最適が困難といった問題を抱えているという。
このため新会社では、椿本チエインの物流ソリューション実績とKDDIの通信インフラやデータ分析ソリューションなどを組み合わせ、顧客環境に応じて最適なシステムや機器、ITなどをベンダーフリーで提供していくとし、複数の拠点や荷主に対応する統合運用などの実現、データに基づく業務や出荷能力などの最適化を実現していくとした。
事例では、KDDIが2023年9月に新型スマートフォンを販売・出荷する際に、同社の東日本・西日本物流センターにおいて作業員のシフトの効率化と設備稼働率を最大化するシミュレーションを実行し、これに基づいて実稼働した結果、時間当たりの出荷量を従来に比べて1.4倍に増やすことができたとしている。
新会社は今後、倉庫自動化ソリューションの標準化、国内外の複数の物流拠点における統合運用、24時間無人稼働倉庫の実現にも取り組むという。