「年齢確認の壁」を打破–東武と日立、東武ストアで指静脈認証による決済実現

今回は「「年齢確認の壁」を打破–東武と日立、東武ストアで指静脈認証による決済実現」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 東武鉄道(東武)と日立製作所(日立)は4月11日、「東武ストア越谷店」のセルフレジに指静脈認証による決済機能を搭載し、取材会を開催した。同レジは、ユーザーが指を認証装置にかざすだけで決済、ポイント付与、年齢確認を行う。セルフレジで指静脈認証を用いて決済すること、決済だけでなくポイントの付与や年齢確認を行えることは日本初だという。

 同レジは、埼玉県内にある東武ストアの越谷店、みずほ台店、新川岸店の3店舗で順次稼働する。東武線直結の立地や来店客数の多さなどからこの3店舗が対象になった。越谷店は平日では約4000人、土日では3200~3300人の来店客数を誇る。

 取材会において筆者は、指静脈認証による決済を体験した。レジでは「生体認証をしてお買い物開始」の項目を選択後、人さし指・中指・薬指の3本を装置にかざして認証する。認証されたら、連携するポイントの種類を選択し、支払方法として「クレジット」を選ぶ。「お手持ちのクレジット」「生体認証のクレジット」という2つの項目から後者を選択後、決済に利用するクレジットカードを選び、指静脈認証を再度行うと決済が完了する。クレジットカードとのひも付けが必要なため、登録できるのは18歳以上としている。

 今回は年齢確認をシステム側で行えるようになったことから、チューハイ1本を決済した。上記のように決済までに選択しなければいけない項目が多く、初回は店舗スタッフの人々に質問する必要があると感じたが、指静脈認証自体はスムーズに行うことができた。一般的に3秒以内で認証するという。

 越谷店は既に東芝テックのセルフレジを利用しているが、日立は生体認証装置とUSB接続を行い、ユーザーインターフェース(UI)などの改修を行うことで連携を実現している。ユーザーデータは、全てクラウド上で保存されている。

 日立の指静脈認証装置における誤認証の確率は、登録した本人なのに認証されない確率が約1万分の1、他人として認証されてしまう確率が約6250万分の1だという。前者の誤認証に関しては、平日は約4000人が利用する越谷店では数日に1回は発生する計算になるが、多くの場合は再度認証を試みれば正しく読み取れるとしている。指を装置から最大3cm浮かせた状態でも認証でき、「不特定多数の人々が接触した装置に触れたくない」というニーズにも応える。

 同レジの利用には、日立の専用サイト「アイデンティティポータル」であらかじめ氏名や生年月日、性別などの属性情報、決済に活用するクレジットカード番号を登録する。東武グループの共通ポイントサービス「TOBU POINT」を保有している場合は、そのIDも登録して購買履歴とひも付けられるようにする。その後、店舗で顔写真付きの身分証明書による本人確認の上、左右の指3本の静脈を登録して事前登録した個人情報と連携させる。

 アイデンティティポータルの登録はスムーズに行えたが、ログイン時はID・パスワードの入力と指定の番号に電話をかける二要素認証が必要となる。指静脈の登録は、初めてのことで少し手間取ったが、登録プロセスを通して指静脈認証で買い物することが楽しみになってきた。

 認証方法について、日立の担当者は「今回はさまざまなIDとクレジットカードの情報を管理するので、二要素認証を必須とした。ユーザーの携帯電話番号にショートメッセージサービス(SMS)で確認コードを送信する方法もあるが、SMSが届かないことがあるので、今回は電話をかけてもらう形にした」と説明した。

 取材時の登録状況は、アイデンティティポータルで個人情報を登録したのは関係者を含めて約300人、指静脈の登録まで行ったのは約180人だった。対象となる越谷店、みずほ台店、新川岸店のいずれかで登録を完了すれば、3店舗全てで指静脈認証による決済が可能となる。東武と日立は、3店舗合計で数千人の登録を目指しているという。

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