富士通、「Fujitsu Kozuchi」の活用を促進するコンサルティングサービスを提供
今回は「富士通、「Fujitsu Kozuchi」の活用を促進するコンサルティングサービスを提供」についてご紹介します。
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富士通は2月14日、AIを活用する基盤とコンサルティングサービスを2024年3月末から提供すると発表した。同社は2023年4月からAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」の提供を開始し、500以上の世界各国の企業から問い合わせを受けたという。
Fujitsu Kozuchiを導入した企業からの意見を踏まえて、同年10月にはAI構成要素を自動生成する技術を実装するなど機能拡張を重ねている。富士通 執行役員SEVP CTO, CPO 兼 システムプラットフォーム BG Co-HeadのVivek Mahajan(ヴィヴェック・マハジャン)氏は、「AIは私たちのバディーになると考えている」と述べ、後述する「Fujitsu Uvance」の推進を目指す。
左から富士通 執行役員SEVP CTO, CPO 兼 システムプラットフォーム BG Co-Head, Mahajan氏、同社 執行役員SEVP グローバルビジネスソリューションビジネスグループ長 兼 全社Fujitsu Uvance担当 高橋氏
富士通は、2021年10月からパーパス実現に向けて異業種連携を意味する「Vertical Areas」の4分野と、それらを支える技術基盤の「Horizontal Areas」の3分野を重点的に注力するFujitsu Uvanceに取り組んできた。
具体的には、スマートファクトリーや温室効果ガス排出削減プラットフォームを指す「Sustainable Manufacturing」、環境・災害シミュレーションを通じて空港や港湾業務のデジタル変革を目指す「Trusted Society」、オムニチャネルやパーソナライズドサービスで店舗をデジタル変革する「Consumer Experience」、医療・健康データ活用基盤構築や革新的医薬品の早期創出を指向する「Healthy Living」。これら4分野に対してAIを活用する基盤がFujitsu Kozuchiとなる。
同社はAI技術について文章解析やコード生成といった特定業務に特化した多数の特化型生成AIを混合させる「特化型生成AI」と、ハルシネーション(幻覚)抑制や独自のナレッジグラフ(知識の体系化)技術で生成AIの課題を解決する「生成AIトラスト」が強みであると強調。さらにスーパーコンピューターの「富岳」を筆頭とする世界レベルの計算能力や、過去30年にわたる7000件以上のAI導入実績がAI戦略を推し進めると説明した。
すでに、2023年10月には理化学研究所と共に独自の生成AIに基づく創薬技術を開発し、Mahajan氏によると「通常は1日かかるタンパク質の構造変化を2時間に短縮」させたという。
具体的な事業戦略として富士通は、Fujitsu UvanceのVertical Areasの4分野に対して、Fujitsu KozuchiによるAI実装を行う予定だ。同社 執行役員SEVP グローバルビジネスソリューションビジネスグループ長 兼 全社Fujitsu Uvance担当の高橋美波氏は、「例えば創薬の世界ならコンピューティングやAIを使ってタイムトゥマーケットを一気に短縮し、Sustainable Manufacturingは二酸化炭素の排出量を削減するための可視化などに用いる」とし、現在は22の機能提供に加えて「全体では60近くのソリューションを展開中。Fujitsu Kozuchiを使いやすい形で提供していく」という。
すでに導入事例も多く、大手製造業は各拠点や工程ごとに散在するシステムデータを集約・統合させ、能登半島地震の2日後に損益衝撃を把握。さらに300種におよぶ部品ごとの予測モデルを2カ月で構築した。
大手流通業はプライバシーに配慮した高精度の映像分析で、人物検知や年代推定による安心・安全な店舗運営を実現。売上高と来客数は約30%上昇し、今後は約100店舗への展開を予定している。また、顧客企業のAI活用促進と支援体制を用意するコンサルティングサービスは2024年3月末、生成AIによる治験関連文書の自動作成機能を2024年4月から提供する予定だ。