オリックス銀行、日立製作所をクラウド運用変革の支援パートナーに選定
今回は「オリックス銀行、日立製作所をクラウド運用変革の支援パートナーに選定」についてご紹介します。
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日立製作所(日立)は、オリックス銀行のクラウド運用変革を支援するパートナーに選定されたと発表した。日立は4月からオリックス銀行と共に実行計画を策定し、段階的なSRE(Site Reliability Engineering)の成熟度向上を推進していく。
SREはリライアビリティー(信頼性)、レジリエンス(回復性)とセキュリティを効果的に高めるためのシステム運用とサービス管理の方法論。DevOpsの実戦と、ソフトウェアエンジニアリングの手法を用いることにより、システムのアジリティー(機敏性)を担保しながら開発を進める。
オリックス銀行は、2023年度末時点でクラウド化率が86%に到達している。具体的には信託システムや社内情報システム、顧客向けサービスなどにパブリッククラウドを活用することで、新規サービスの立ち上げやサービスの拡張を容易にしている。またデジタル化推進による顧客体験(CX)や従業員体験(EX)の向上を推進している。今後クラウドネイティブな企業へとさらに進化を図るに当たり、今回のパートナー選定に至ったという。
日立の支援内容には、(1)マチュリティアセスメントによるSRE観点からの成熟度の可視化、(2)SREマネジメントサービスによる実行計画の策定と運用改善の推進がある。
(1)は、2023年12月に日立のプロフェッショナル・マネージドサービスである「Hitachi Application Reliability Centers」(HARC)により実施した、マチュリティアセスメントの結果をベースに、既に両社で進められている。
HARCは、SRE手法をベースとし、開発チームと運用チームを責任共有モデルに基づき統合する。これにより適切な設計を進め、問題の事前抑止および問題が発生した場合の迅速な対処・解決が可能になる。統合されたバーチャルチームにより、迅速に運用へのフィードバックが可能となり、人材やノウハウ、最新ツールの活用で信頼性、セキュリティ、コストを考慮した設計を実現するという。
2023年12月に実施したマチュリティアセスメントでは、オリックス銀行のシステムを対象にSRE観点の成熟度を「オブザーバビリティ(可観測性)」「インシデント管理」「リリース管理」「レジリエンス(継続性/回復性)」「スケーラビリティー(拡張性)」の5つの観点で評価した。
その結果、「レジリエンス」については、マネージドサービスの利用やディザスタリカバリー(災害復旧)対応など成熟度が高いと評価された。一方で、「オブザーバビリティ」と「インシデント管理」については、システムの信頼性の可視化やアラート設定の最適化などに改善の余地があるとしている。日立はこれらの評価結果や改善項目、改善に向けたロードマップを報告書としてまとめ、オリックス銀行の運用チームと議論を重ねている。
(2)では、システム特性やビジネス観点による改善項目の対応優先度や関係性、必要な時間と工数を考慮しながら、マチュリティアセスメントで洗い出した改善項目に対する実行計画の策定を支援する。
運用改善施策の設計および実装は、日立のクラウドエンジニアとオリックス銀行の運用チームでSRE体制を構築し、一体で推進していくという。また、運用体制のスキーム作り、ルールやプロセスなどの策定、必要な運用ドキュメントの整備、運用チームから開発チームへの積極的な働きかけなど業務プロセスの改革も支援していくとしている。