米政府、カスペルスキー社製ソフトウェアの国内販売を禁止へ
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本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
米政府は、カスペルスキー社製のサイバーセキュリティおよびアンチウィルスソフトウェアが米国の国家安全保障および米国人の安全保障にもたらす過度かつ容認しがたいリスクに寄与しているとして、国内販売を禁止する通達を発表しました。
カスペルスキー社はロシアの管轄下にある
米商務省は通達の中で、カスペルスキー社は米国が指定する国外の敵対者であるロシア連邦の管轄下にあり、ロシアの司法権に服する企業としてロシア政府からの援助や情報提供の要請に応じなければならないことを理由として挙げました。
そしてそのことが、米国の国家安全保障および米国人の安全保障と安全に対して容認できないリスクをもたらすとしています。
The Department finds that Kaspersky’s provision of cybersecurity and anti-virus software to U.S. persons, including through third-party entities that integrate Kaspersky cybersecurity or anti-virus software into commercial hardware or software, poses undue and unacceptable risks to U.S. national security and to the security and safety of U.S. persons.
同省は、カスペルスキーによる米国人へのサイバーセキュリティおよびアンチウイルスソフトウェアの提供は、カスペルスキーのサイバーセキュリティまたはアンチウイルスソフトウェアを市販のハードウェアまたはソフトウェアに統合するサードパーティの事業体を通じたものを含め、米国の国家安全保障および米国人の安全保障と安全に対して過度かつ容認できないリスクをもたらすと判断する。
そして「Risk Determination」(リスク判定)の項で、この決定はカスペルスキー社のソフトウェアそのものの有効性とは無関係に、米国に危害を加えるために戦略的に使用できるかどうかに起因すると説明しています。
The risks to U.S. national security addressed in this Final Determination stem not from whether Kaspersky’s products are effective at identifying viruses and other malware, but whether they can be used strategically to cause harm to the United States.
この最終決定で扱われる米国の国家安全保障に対するリスクは、カスペルスキーの製品がウイルスやその他のマルウェアを識別する上で効果的かどうかではなく、米国に危害を加えるために戦略的に使用できるかどうかに起因する。
日本政府はこれをどう受け止めるか?
米国や日本を含む西側先進諸国は今月、イタリアでG7サミットを開催し、続いてスイスにてウクライナ平和サミットを開催。ロシアによるウクライナ侵攻に関して、あらためてウクライナを支援することを確認しています。
また、米国では11月に大統領選が行われる予定です。米政府は選挙における国外勢力の干渉を防ぐために、国内のサイバーセキュリティに関して一層の監視体制を敷いているところです。
今回の米政府の発表は、そうした背景があると見られます。
カスペルスキー社の製品は日本国内でも販売されています。米国が、国家安全保障に容認できないリスクをもたらすと判断したことについて、日本政府が今後どのように受け止めていくかが注目されます。