SASのCTOが語る、データ/AIプラットフォームの最新動向
今回は「SASのCTOが語る、データ/AIプラットフォームの最新動向」についてご紹介します。
関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
SAS Institute Japanは7月17~18日に都内で「SAS Innovate on Tour」を開催した。同イベントに合わせて来日した米SAS Institute 取締役副社長 兼 最高技術責任者(CTO)のBryan Harris氏に、同社の最新動向を聞いた。
現在、多くの企業が生成AIの業務利用を始めているが、SASが提供するデータ/AIプラットフォームでは「Productivity(生産性)」「Performance(パフォーマンス)」「Trust(信頼性)」の3つを一貫して提供価値の中核に据えてきたという。
Harris氏によると、欧州のスーパーマーケット大手であるMigrosは、「SAS Customer Intelligence 360」でカスタマージャーニー全体を自動化した。これによって会員数が33%向上、売り上げが40%増加した。また、トルコの食品製造大手であるYildiz Holdingでは、SASのソリューションを使って退職リスクのある従業員を特定し、離職を防止する対策を講じることができた。
移動体通信事業者のVodafoneもSAS Customer Intelligence 360を利用しており、データ処理にかかる時間を数週間から1日に短縮した。これによって顧客の解約率を30%下げることができたという。
同氏は続いて、AIモデルを構築するための開発者環境「SAS Viya Workbench」を紹介した。Viya Workbenchは、AIモデルの開発者などを対象に、データプレパレーションや探索的データ解析、分析モデルや機械学習モデルの開発を行うためのセルフサービス型コンピューティング環境をオンデマンドで提供するもの。
プログラミング言語としてSAS、Pythonに対応し、2024年末までにはRもサポートする。「Jupyter Notebook/JupyterLab」と「Visual Studio Code」の開発環境として提供する。「まずはAmazon Web Services(AWS)を通じて提供を始め、Microsoft AzureやGoogle Cloudへの対応も進めていく」(Harris氏)
2023年9月に発表された「SAS App Factory」は、AIベースのアプリケーションを作成するための開発環境になる。「React」「TypeScript」「Postgres」で構築されたクラウドネイティブな技術スタックのセットアップと統合を自動化する。2024年に一般公開を予定している。
また、SAS App Factoryを活用した初めての自社製品が「SAS Energy Forecasting Cloud」である。電力会社の計画とオペレーションを改善することによって、電力の安定供給を支援するもので、より精度の高いモデルを構築することにより、消費者や企業の需要をより的確に予測できるようにする。
SAS Viya Copilotは、開発者、データサイエンティスト、ビジネスユーザーの生産性を向上するパーソナルアシスタント。コード生成、データクリーニング、データ探索、マーケティングプランニング、ジャーニーデザイン、ナレッジギャップ分析など、さまざまなタスク向けに多様なツールを提供する。