生成AIプロジェクト、3分の1が2025年までに中止か–ガートナー予測

今回は「生成AIプロジェクト、3分の1が2025年までに中止か–ガートナー予測」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 企業はすでに着手した生成人工知能(AI)プロジェクトから価値を見出すのに「苦労」しており、最終的には3分の1のプロジェクトが中止されることになると、調査会社のGartnerが最近のレポートで報告した。

 「2023年の一大ブームを経て、企業の幹部は生成AIに対する投資からの見返りを心待ちにしている。だが、企業はその価値を証明して収益化するのに苦労しているのが現状だ。プロジェクトの間口が広がるにつれて、生成AIモデルの開発と導入に金銭的負担を感じることが増えている」と、Gartnerの著名なアナリストであるRita Sallam氏は、この調査結果をまとめたプレスリリースで述べている。

 このレポートでは、2025年末までに生成AIプロジェクトの少なくとも30%が概念実証の段階を経て中止されるとしている。

 Sallam氏によれば、コストがプロジェクトの導入に対する大きな圧力になっており、初期投資の金額は500万〜2000万ドル(約7億3000万〜29億円)に達するという。

 例えば、一般公開されているモデルを利用する生成AIのAPIを用いてコーディングを支援するといった低コストのプロジェクトでさえ、10万〜20万ドル(約1500万〜3000万円)の初期投資と、ユーザー1人あたり年間最大550ドル(約8万円)の追加コストが必要になると、Gartnerは見積もっている。

 「基盤」となるAIモデルを調整したりカスタムモデルをゼロから構築したりするような、高コストのプロジェクトなら、500万〜2000万ドル(約7億3000万〜29億円)の初期投資に加え、ユーザー1人あたり年間8000〜2万1000ドル(約120万〜300万円)のコストがかかる可能性がある。

 もっとも、Gartnerの調査で大きな課題が指摘されているとはいえ、生成AIにとって悪いニュースばかりではない。売り上げの増加やコストの削減、生産性の向上など、生成AIのメリットをすでに享受している企業もある。

 ただし、このようなメリットには別の警告が伴っている。Gartnerによれば、成果の測定が難しい場合があるという。

 「生成AIでは、短期的な投資利益率よりも、将来の間接的な投資基準に対する許容度がより強く求められる」と、Sallam氏は言う。

 「歴史的に、多くの最高財務責任者(CFO)は、将来の間接的な価値のために投資を続けることを快く思わない。このような抵抗感のために、投資の配分が戦略的な成果ではなく、戦術的な成果に偏ってしまう可能性がある」(Sallam氏)

 また、コスト以外にも、AIプロジェクトを失敗に導きかねない要因として、「不十分なリスク管理」や「質の低いデータ」があるとGartnerは指摘している。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
青森県立中央病院、院内Wi-Fiで病室でのオンライン面会を実現
IT関連
2022-04-14 14:47
日立製作所、製造業向けDXサービス群/クラウド基盤を体系化
IT関連
2023-09-06 21:59
IISのログをコマンド伝達に悪用する新しい手口のサイバー攻撃が発見
IT関連
2022-11-03 04:24
形だけに終わらせない――本気のDXに取り組むベネッセグループの底力 :見せてもらおうか、新しいベネッセの“本気”とやらを
PR
2021-03-06 19:49
FBI、北京五輪狙うサイバー脅威に注意喚起–選手に個人デバイス持参しないよう呼びかけも
IT関連
2022-02-04 21:39
primeNumber、「海外展開」「無料プラン」で攻勢–データ活用のすそ野を拡大へ
IT関連
2023-03-03 01:41
NTTデータグループが決算、鍵を握るデータセンター事業と海外事業
IT関連
2023-11-09 06:30
【コラム】パブリッククラウドにおけるセキュリティ課題の解決に向けて
セキュリティ
2021-06-02 18:33
フェイスブックとInstagramで「いいね!」の数を非表示可能に、徐々に展開中
ネットサービス
2021-06-06 18:13
「SAP S/4HANA」移行とプロセスマイニングで業務改革–寺崎電気産業の事例
IT関連
2024-12-17 21:24
RedditとRobinhood問題、気候変動、Zoom関連ほか先週の株式市場とスタートアップまとめ
その他
2021-02-02 05:15
ROS対応協働ロボットアーム「myCobot」のラズパイ版「myCobot Pi」、商業向け「myCobot Pro」が発売開始
ロボティクス
2021-07-02 00:24
CISA、「既知の悪用された脆弱性カタログ」に1週間で75件追加
IT関連
2022-05-31 11:23
山口フィナンシャルグループ、営業と顧客のコミュニケーション手段に「LINE WORKS」を導入
IT関連
2023-07-27 18:04