富士通ラーニングメディアとLinkedInがパートナーシップを締結–eラーニングの定着に寄与

今回は「富士通ラーニングメディアとLinkedInがパートナーシップを締結–eラーニングの定着に寄与」についてご紹介します。

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 富士通ラーニングメディアとLinkedInは10月1日、戦略的パートナーシップを締結した。この協業では、LinkedInが提供するeラーニングコース「LinkedIn ラーニング」と、富士通ラーニングメディアが持つ人材育成サービスおよび人材育成プログラムの運用ノウハウを融合させたサービスを提供する。国内で3年以内に導入企業を2000社、ユーザー数100万人を目指すという。

  LinkedIn 日本代表の田中若菜氏は、「AIが急速に世界中の産業におけるスキル構造を再形成している」と言い、企業は従業員のスキルアップを図るとともに、AIのスキルも企業の中心に据えることが重要になると説く。

 同社の調査によると、日本の人事リーダーの86%がスキル開発におけるeラーニングの効果を確信している一方で、eラーニングを効果的だと感じている従業員は59%にとどまるという。この認識のギャップには、eラーニングに参加する時間が足りないことや、学びたいと思った内容と実際の学習にギャップがあることが挙げられるという。

 LinkedIn ラーニングでは、AIやプログラミング、リーダーシップ、コミュニケーションなど幅広いスキルをカバーする2万3000コースをそろえており、そのうち日本語対応のコースは1300に上る。また、週50の新規コースを追加し、さらなるリスキリング需要に対応している。

 加えて、2024年末には生成AI機能「LinkedIn Learning’s AI-powered coaching」を提供する。同サービスは、学習者の職務やキャリア目標、興味のあるスキルに基づき、日本語で学習者にアドバイスや学習コンテンツを推奨するという。

 今回協業する富士通ラーニングメディアは、企業に対して研修サービスの開催や学習プラットフォーム「KnowledgeC@fe」の提供、スキルアップ書籍の発行などを行っている。同社は、2023年4月にLinkedIn ラーニングを採用し、約2カ月で富士通グループ国内社員約8万人に展開。その後1年でアクティベート率95%を達成し、自律的な学びの定着を実現しているという。

 富士通ラーニングメディア 代表取締役 佐竹秀彦氏は、日本が直面する人材育成の課題として「自律的に学ばない」「モチベーションや貢献意欲が低い」「デジタル競争力の低下」「労働生産性の低下」を挙げ、「今回のパートナーシップでこの状況を打破したい」と協業の背景を説明した。

 両社が今後提供するサービスは、(1)生成AI時代に求められるハードおよびソフトスキルを実践的に学ぶ集合研修/ライブ研修などの研修サービスと、LinkedInラーニングサービスをパッケージ化して提供、人材開発担当者と学習者にとってのシームレスなユーザー体験を実現 、(2)人的資本最大化の考え方をベースに、日本企業に最適な導入・運用サポートサービスを無償で提供、(3)自律的な学びを促進する企業内ラーニングポータルを提供、(4)LinkedInのラーニングスタジオ(東京都内)ツアーを含む、LinkedInがグローバルで小有する人材育成のベストプラクティスや組織におけるスキルデータ可視化ツールのデモなど、最新機能を体験するワークショップの開講、(5)LinkedInラーニングユーザーグループ同士での学びの共有を支援するラウンドテーブルの開催、(6)他社eラーニングユーザー向けの期間限定特別価格でのオファー――の展開を予定している。

 また佐竹氏は、「AI領域」「得意領域」「提供形態」の3点から両社が協業する意義を述べた。AI領域では、LinkedInが持つ「Microsoft Copilot」と富士通が持つ「Fujitsu Kozuchi」を掛け合わせることで、ユーザーに役立つeラーニングを迅速に提供できるという。また、LinkedInが得意とするビジネススキルと富士通が蓄積したIT・DXスキルの提供により、コンテンツの網羅性向上やコンテンツの質の向上を図るとしている。

 提供形態では、LinkedIn ラーニングで関心のあるスキルを学び、その後に富士通ラーニングメディアが開催する対面型の講座を受講できるようになるという。

 田中氏は両社の協業について、「日本のビジネスプロフェッショナルの皆さまが未来を切り開くために必要なスキルを習得する上で極めて重要なことになる。この協業により、LinkedIn ラーニングのコースライブラリーとAI搭載ツール、富士通ラーニングメディアの人材開発に関する専門知識を組み合わせることで、取り組みを拡大できる。そして、日本企業は継続的な学習文化を構築でき、スキルアッププログラムの実施だけでなく、従業員が積極的に活用できるようにもなる。私たちは富士通グループの成功を基盤とし、日本の労働力が将来の課題に対応できるように備えることで多くの組織がAIとeラーニングを活用し、グローバルで行動力を高めることができるように支援していきたい」と語った。

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