自動化と人間の創造性の最適バランスを模索–2025年のITリーダー像
今回は「自動化と人間の創造性の最適バランスを模索–2025年のITリーダー像」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
今後1年間でリーダーとして成功するには、人工知能(AI)とその関連ソリューションを取り入れる必要があるだろう。一方で、テクノロジーイノベーションを主導したいと望むなら、人間の直観と創造性の強化を促す必要もある。そのバランスをとるということは、自動化と人間の創造性の境界線上で細心の注意を払って歩を進めるということだ。ある最高デジタル責任者(元最高情報責任)がこのように語った。
今やAIはオンラインで簡単に利用でき、ベンダーソリューションに組み込まれるようになっており、一部の専門家は、人間よりも安上がりで信頼できる場合が多いと指摘しているため、可能な限り多くの作業を自動化したいという誘惑がある。
Dayforceが先ごろ開催した顧客向けカンファレンスで、同社のエグゼクティブバイスプレジデント 兼 最高デジタル責任者のCarrie Rasmussen氏に話を聞いた。同氏によると、現代のITリーダーは人間の知能と機械の知能を同じレベルに保ち、それぞれの長所のバランスをとる必要があるという。
批判的思考とイノベーションを促す創造性が、技術者とビジネスパーソンにとって最も価値あるスキルになりつつある。しかし、このような人間中心のスキルは学校で十分に教えられていない。AIの台頭により、ビジネスの発展や保護に必要なスキルを失うリスクが高まっている。
「開発者の役割は今後、大きく変わっていくだろう」とRasmussen氏は述べた。新しいテクノロジーを管理するには、規律が必要だ。「古い環境を整理するか、破棄する必要がある。これは実に興味深い取り組みになるだろう。というのも、AI学習モデルは非常にコストがかかるからだ。そうした生成モデルにどう着手するかを考えなければならない」
だが、最大のリスクは、採用したソリューションやプロセスの背景にある論理と根拠に対する理解が、新興テクノロジーのせいで損なわれてしまうことだ。「すべてを生成AIに入力するようになれば、コーディングスキルを忘れてしまうかもしれない」とRasmussen氏は語る。
「悪人の侵入を防ぐための手法を学び続ける必要がある。しかし、二度とコーディングを教えず、AIツールだけを使用するのなら、自分自身を思考の一部から切り離すことになるのではないか。ボットが自分の代わりにすべてをやってくれるなら、本当の意味で独創的な思考や革新的な思考ができなくなるのではないか。どのように構築されたかを考えないのだから」
Rasmussen氏は、批判的思考の力を高めるには「ソフトスキルが重要だ」と述べた。例えば、ITリーダーにとって最大の課題の1つは、新興テクノロジーの投資収益率を見極めることだ。AIのコストは急激に上昇しているため、ITリーダーやIT担当者は制御不能な事態が起きないように気を配らなければならない。