リモートワークの普及により職場ですでに疎外されていた人たちはさらに居づらくなったというレポート

今回は「リモートワークの普及により職場ですでに疎外されていた人たちはさらに居づらくなったというレポート」についてご紹介します。

関連ワード (ハラスメント、リモートワーク、新型コロナウイルス等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


2020年は誰にとっても簡単な年ではなかったが、Project Includeの新しいレポートによると、リモートワークへの移行は一部のグループに対し他のグループよりも悪影響を及ぼした。当然のことながら、それはすでにハラスメントや偏見に苦しんでいた人々で、特に有色人種の女性やLGBTQと認識している人々が、そうした振る舞いに大きな影響を受けた。

このレポートは、約2800人への調査と、多くの国や業界の技術者や対象分野の専門家へのインタビューに基づいている。良いニュースはあまりないが、そもそもあると期待すべきだろうか。悲しいことに、2020年に発生した前例のない複数の災いが合わさって、労働条件の点で別のより静かな災いが発生している。

在宅勤務は人々の対話の方法を変えた。その結果、特に性別および人種に基づくハラスメントが大幅に増加した。調査対象者の4分の1以上が、嫌がらせと職場での敵意が増加したと答えている。増加したと答えた人のうち、98%は女性またはノンバイナリーであり、99%は非白人だった。

トランスジェンダーの人々は、すべての黒人の回答者、特に女性とノンバイナリーの人々がそうであるように、ハラスメントと敵意をより多く経験していた。アジア系、ラテン系、およびマルチレイシャルの回答者も同様に多かった。

画像クレジット:Project Include

リモートでの生産性とコミュニケーションへの切り替えにより、ハラスメントは避けがたいものになっているようだ。チャット、電子メール、ビデオ通話による1対1のコミュニケーションへの依存度の高まりにより、ハラスメントをする人と直接働くことが避けられず、それを報告するのが難しくなっている。「回答者は、ハラスメントをする個々の人間がオンラインスペースを越えて彼らを追いかけてくると述べた」とレポートは付け加える。

メンタルヘルスに何らかの症状がある人、特にPTSD(心的外傷後ストレス障害)のある人は、そうでない人に比べてハラスメントを2倍多く経験する傾向がある。

期待とツールの変化は、不安の大幅な増加とワークライフバランスの低下を意味する。回答者のほぼ3分の2は、より長時間働くことが期待されていると回答し、半数以上は公式の労働時間外にもオンラインにとどまるようプレッシャーを感じている(または明らかに期待されている)と述べた。調査によると、10%はマネージャーが毎日チェックしていると述べ、5%が1日に2回以上チェックしていると報告した。キーストロークや画面監視などの監視ソフトウェアについて不満を述べる人もいる。

障害のある労働者は、企業がアクセシビリティ機能が不十分な生産性ツールやコラボレーションツールをよく選択することに気づいている。例えば自動キャプションなしのズームコールでは、読唇術が必要となる。

ほとんどの人が、苦情の適切な処理や公正な対応という点で人事部門や会社全体を信頼していなかったため、ハラスメントについて報告しなかったと述べた。ハラスメントを行っているのは人事部の人であるという回答もあった。こうした問題に適切に対応するという点で自社を信頼している回答したのは半数未満だった。約3分の1は、会社が適切に対応するとは思っていないと述べた。ほぼ同数が、職場には、発生する可能性のある問題に介入したり解決したりするためのツールすらないと述べた。

こうした統計がこのレポートで手に入る。このレポートでは、他の多くの問題や行動について詳しく説明し、企業がステップアップするためにできることついて多くの提案をしている。もちろん、あなたの会社が今まで行動を起こさなかったのなら、それはまさにそこにある問題だ。だが一般的には、実際に従業員に耳を傾け、リーダーシップに責任を持ち、ノーミーティングデーや寛大な休暇ポリシーなど、目に見えるインパクトを与える行動を取ることが解決になる。

何より、単純に物事が「通常に戻る」と期待しないで欲しい。Vaya ConsultingのCEOであるNicole Sanchez(ニコル・サンチェス)氏は、レポートで引用されているように、そのことについて適切に語っている。

ほとんどの企業は、選択制であっても、人々を物理的に元に戻す準備ができていません。エグゼクティブレベルの人々は、自分たちが実際に扱っているのが現在進行形の多数のトラウマであると知ってショックを受けるでしょう。以前のやり方に戻ろうとする多くの企業は「なぜ1つ1つのピースがもう合わなくなってしまったのか」と疑問に思うでしょう。私たちの意見が一致する答えは次のとおりです。そうしたピースがお互いにしっかりと合うことはもはやありません。合うのは自分自身にとってだけです。今、あなたはすべての継ぎ目と脆弱性を目にしています。したがって、会社を再構築しなければなりません。

レポートの作成者には、Project IncludeのEllen Pao(エレン・パオ)氏、Shoshin InsightsのYang Hong(ヤン・ホン)氏、およびConvocation Design + ResearchのCaroline Sinders(キャロライン・シンダーズ)氏が含まれる。

画像クレジット:Getty Images


【原文】

The last year wasn’t an easy one for just about anybody, but a new report from Project Include shows that the shift to remote work affected some groups more negatively than others. Unsurprisingly, it was people already struggling against harassment and bias, particularly women of color and those identifying as LGBTQ, who saw the biggest jumps in those behaviors.

The report is based on a survey of about 2,800 people and interviews with tech workers and subject matter experts in numerous countries and industries. There’s not a lot of good news in it, but why should there be? Sadly, the unprecedented confluence of multiple disasters in 2020 has spawned another, quieter disaster in working conditions.

Remote work has changed how people interact, and the result of that has been, among other things, significant increases to gender- and race-based harassment. Over a quarter of those surveyed reported an increase in harassment and workplace hostility — and of those experiencing increases, 98% were women or nonbinary and 99% were nonwhite.

Trans people were much more likely to experience harassment and hostility, as were were all Black respondents, especially women and nonbinary people. Asian, Latinx, and multiracial respondents also reported more.

Image Credits: Project Include

The switch to remote productivity and communication seems to have made this harassment difficult to avoid. An increase in reliance on 1:1 communication via chat, email and video calls meant working directly with harassers was inescapable and difficult to report. “Respondents noted that individual harassers would follow them across online spaces to where they were,” the report adds.

People with mental health conditions, particularly those with PTSD, were twice as likely to report experiencing harassment than those without.

Changes to expectations and tools meant big increases to anxiety and drops in work-life balance. Nearly two-thirds of respondents reported being expected to work longer days, and more than half said they felt pressure (or were plainly expected) to be online outside of official working hours. The survey reported that 10% said managers were checking in daily, and 5% reported two or more times per day. Others complained about surveillance software like keystroke and screen monitoring.

Workers with disabilities found that companies often chose productivity and collaboration tools that had inadequate accessibility features — for example, Zoom calls without automatic captioning that required lip-reading to keep up.

As for reporting harassment, most said they did not do so because they didn’t trust their HR department or company at large to handle the complaints properly or respond fairly. One person even reported that it was a person within HR itself that was harassing them. Less than half of respondents said they trusted their company to respond to these issues properly; about a third said they did not trust the company to do so; about the same number said their workplace doesn’t even have the tools to intervene or solve any issue they might bring up.

These and more statistics are available in the report, which goes into detail on a number of other issues and behaviors, as well as making a number of suggestions as to what companies can do to step up. Of course if your company has waited until now to take action, that’s a problem right there. But in general the idea is to actually listen to workers, hold leadership accountable and take actions with measurable impact like no-meeting days and generous time-off policies.

Most of all, don’t expect things to just “go back to normal.” CEO of Vaya Consulting Nicole Sanchez puts it best as quoted in the report:

Most companies are not ready to bring people back together physically, even electively. People at the executive level are going to be shocked to find out that what they’re actually dealing with is a whole lot of live active trauma. A lot of companies that go back and try and make it like it was before will wonder, “Why aren’t these pieces fitting together anymore?” And the answer, I hope, that we get collective agreement on is: Those pieces never fit together. They just fit together for you. Now, you’re seeing all the seams and all of the vulnerabilities, and now you have to reinvent your company.

The authors of the report include Ellen Pao of Project Include itself, Yang Hong of Shoshin Insights, Caroline Sinders of Convocation Design + Research, and McKensie Mack of MMG.

(文:Devin Coldewey、翻訳:Nariko Mizoguchi)

COMMENTS


15004:
2021-04-06 20:39

ハラスメント返し。

14999:
2021-04-06 19:59

もしも「騒ぐ人」「闘争する人」がいなかったら。 今「当たり前のように享受してるあれこれ」は、なかったかもしれないって、ある。 教育を受ける権利もそうだし。 ハラスメントとして加害を加害とすることだって、そうだし。

15003:
2021-04-06 19:41

また日本中世史の学者がイキりながらハラスメントやってるのを見てて、あーこれが日歴協が言ってたハラスメントが蔓延する空気ってやつなのねと……

15005:
2021-04-06 19:15

ではハラスメントを防止するために、文部科学省や教育委員会は具体的にどのような支援を現場の先生方にして頂けるのでしょうか?

14995:
2021-04-06 18:39

車椅子を運ぶのも時間外の場合が多いです もちろん他所の駅へ派遣なら尚更 もちろん悪いのはそういう制度にしないお偉いさん でも現状精一杯の中やってくれた駅員に大した感謝もなくマスコミにタレコミ これもハラスメントみたいなもんだよね

14998:
2021-04-06 18:18

飲み会とかで一般人がオタクに対し、「好きな芸能人誰だ」「特にいない」「あれだろ?綾波レイとかだろ?」という風に、ろくに知らないのに無理やりそっち系のネタでいじろうとすることをオタクハラスメント、オタハラと定義したい

15006:
2021-04-06 18:12

「教師のバトンのプロジェクトを実行します!!素敵なバトンを繋ぎましょう」 『こんな労働環境でバトンなんか繋げるかぁ』 『残業代なんとかしてくれぇ』 「もう少しお上品にお願いします」 .....数日後 「noteを更新しました。教育現…

14996:
2021-04-06 17:24

恋愛弱者からのアプローチはハラスメントだ!!!みたいな世界にしてはいけないよ...男の子も女の子も不器用なりに好きな人に気持ちを伝えていいよ。そうして大人になるんだよ。故意に怖がらせたり嫌がらせするのがいけないだけだよ。

15002:
2021-04-06 15:39

ハラスメント系とか反社系のIDがチームいたらはじまる前に抜けてるんだけど、野良ランクってそれできないの怖くね

15000:
2021-04-06 14:21

ハラスメントの連鎖ですね。

15001:
2021-04-06 12:50

キメハラが流行ったように俺も進撃の巨人大好きすぎて家族や友人に最近進撃の巨人ハラスメントしてる

15007:
2021-04-06 10:29

「月給の一律4%やるから、お前ら残業代一切なしね」 これはハラスメントではないのですか? "しっかり"答えてください。

14997:
2021-04-06 00:56

モラルハラスメント、姑問題、どうしようもない浮気癖とか不安はあるけどさあ!! テンション上がるからほんと好き?✨良いよね!!!!!!!!!!!

Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
美しいが作りづらい「ゼリーの中に咲く花」、フード3Dプリンタで手軽に 東大、「Flower Jelly Printer」開発 :Innovative Tech(1/2 ページ)
イラスト・デザイン
2021-08-13 18:13
マイクロソフト、自律型航空機のシミュレーションを「Project AirSim」で提供へ
IT関連
2022-07-21 11:24
NY州司法長官がアマゾンを提訴、新型コロナ対策の不備と従業員への報復的措置を指摘
パブリック / ダイバーシティ
2021-02-19 12:58
Snapがマインドコントロールヘッドバンドのメーカー「NextMind」を買収
IT関連
2022-03-25 19:57
日立とAWS、ハイブリッドクラウド分野で新たな戦略的協業
IT関連
2024-03-14 16:38
【コラム】バイデン政権はインクルーシブであるためにAI開発の取り組みにもっと力を入れる必要がある
パブリック / ダイバーシティ
2021-04-30 20:57
みんなの銀行、英RevolutとBaaS事業で基本合意–金融系アプリの付加価値向上で
IT関連
2023-06-09 18:34
巨大IT念頭「デジタル課税」 対象は100社程度の公算
IT関連
2021-06-09 01:07
AWS、IPv4アドレスの使用に課金、1時間当たり0.005ドル。2024年2月1日から
AWS
2023-07-31 16:51
セキュリティ運用を改善するサポートの現状–SentinelOneの最高顧客責任者に聞く
IT関連
2023-06-17 21:03
【レビュー】Samsungの「Galaxy Bud 2」は派手さはないが堅実なワイヤレスイヤホン
IT関連
2021-08-14 09:47
セレブラスのCEOに聞く、オープンソースでのGPTモデル公開の意義
IT関連
2023-04-06 03:50
静的サイトジェネレーター「VitePress 1.0」正式リリース。VueとViteを採用し、高速なWebサイトを構築
JavaScript
2024-03-26 15:55
確定申告スタート 電子申告で“密”回避、支援サービス続々
IT関連
2021-02-18 15:39