アフリカ初のカード発行APIを開発するザンビアのフィンテックUnion54

今回は「アフリカ初のカード発行APIを開発するザンビアのフィンテックUnion54」についてご紹介します。

関連ワード （API、Union54、Y Combinator、アフリカ、クレジットカード、ザンビア、チャレンジャーバンク等） についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。

過去10年間、40以上のスタートアップがアフリカの国々からY Combinator（ワイ・コンビネーター）にやってきた。米国時間8月5日、ザンビア共和国がそのリストに加わり、初の参加企業となったUnion54（ユニオン54）は最初をかざるにふさわしいスタートアップだ。

Union54（54はアフリカの国家数にちなんだもの）は、Perseus Mlambo（パースース・ムランボ）氏とAlessandra Martini（アレサンドラ・マーティニ）氏が立ち上げたフィンテック企業だ。同社はアフリカ初のカード発行APIの提供を目指して2021年創業したばかりだ。しかし、Union54は突如現れたわけではない。2人が以前立ち上げたスタートアップZazu（ザズ）から生まれたたプロジェクトだ。

Zazuは2015年にザンビアでチャレンジャーバンクとして設立された。アフリカ大陸のフィンテックがみなそうであるように、Zazuはユーザーがウォレットにつなぐことのできるデビットカードを自ら発行しなければならなかった。Zazuは国の提携銀行がカードを発行するまで数カ月またされることがほとんどだった。18カ月待たされたこともある、とムランボ氏は言った。

そんな中、2人のファウンダーは自身でカードを発行するために地域の銀行と交渉を開始した。しかし、銀行の対応は無気力だった。「処理業者や銀行には私たちの質問に答える能力も、私たちが求めていたプロダクトを提供する能力もないことがわかりました」とムランボ氏がTechCrunchのインタビューに答えて語った。

そこでスタートアップはMastercard（マスターカード）を直撃した。カードを発行する会社と交渉できるのに銀行を待つ必要などない、ということた。最終的に同社は、Mastercardプリンシパル・メンバーシップを獲得した自称アフリカ初のフィンテックになった。

プリンシパル・メンバーになったZazuはカード発行銀行として活動する資格を得た。言い換えれば、彼らはデビットカードを発行できるようになり、それはアクワイアラーとして取引処理サービスを提供できることを意味する。

その過程でファウンダーらは、アフリカのフィンテックを本格的に推進するためには、どの国のフィンテックでも簡単にバーチャルまたはプラスチックのデビットカードを発行できるようにすることが不可欠だと気づいた。そこでチームはZazuからUnion54をスピンアウトさせた。　現在同プラットフォームには、プログラム可能なデビットカードをどのフィンテックでも発行できるAPIがいくつかある。

「私たちはメンバー資格を利用して、自身でカードを発行したいアフリカのフィンテックの支援もできるようになりました。当社に来てAPIを手に入れるだけで、長い時間交渉することなく今すぐ行動に移せます」とアフリカの他のフィンテックにサービスを提供することについてムランボ氏は語った。

同社のターゲットは、バーチャルまたはプラスチックのカードを発行するために数十万ドル（数千万円）もの初期費用を使いたくないフィッテックだとCEOは語る。Union54は、BIN（銀行識別コード）の付与、管理・調停プログラムなどを行うAPIを通じて数週間でカードを発行できるという。

こうしてUnion54は、アフリカ初のカード発行APIを謳う権利を得た。このチャンスに目をつけたフィンテックはほとんどない。多くの会社が決済ゲートウェイからウォレットまでその他のさまざまな分野に焦点をあててきた。興味深いのは、これらの分野の大物たちが結局は自社顧客にバーチャルカードやプラスチックカードを作ろうとして複雑な作業に直面していることだ。Union54はそのギャップを埋めようとしている。現在まだベータ段階だが、すでに数多くのお得意様がウェイティングリストに名を連ね、プラットフォームを利用していることを同社は誇っている。

「すばらしいことに、利用しているのはただの企業はありません、アフリカでトップ5％に入るフィンテックです。そして私は常に、自分たちがアフリカフィンテックの黄金世代だと言っています。だから、この分野のリーダーとされる人たちが使うためのカード発行プロダクトにとって今は最適の時期です。これは、人々が毎日使いたいものを私たちが持っている、という意味なのです」とCEOは付け加えた。

ウェブサイトには、 同社のAPIのユースケースが8種類紹介されている。「Ledger based（帳簿ベース）」「アクワイアラー / ゲートウェイ、バイ・ナウ・ペイ・レイター（後払い）」「信用組合」「運送会社」「デジタルバンキング、「クレジットカード管理」および「法人カード」。

Union54を使用するフィンテックは、カードのデザイン、使用する通貨の設定ができる他、誰が使うか、何に使うか、いつ使うか、どう使うかが書かれたカタログを作ることもできる。

フィンテックはUnion54の利用料金をAPIを使用する毎に支払う。プラスチックカードを作るためには7〜9ドル（約770〜990円）の固定料金および取引が成立したときの固定料金（非公開）を支払う。

ムランボ氏はYCの2021年夏組に参加したことで、初期の顧客をYCのネットワークから獲得することができたと語った。彼はYCについて、初日から役に立つプログラムだと説明している。

「Union54がザンビアで最初Y Combinatorに参加を許されたフィンテックであることを誇りに思います。アフリカ南部では2番目です。ご存知のように、世界の投資家がアフリカを見る時、アフリカ西部から考えることがほとんどです。私たちがY Combinatorに入ることで私たちの幅広い仮説のごく一部が実証されました。ザンビアのようにフレンドリーな国がアフリカの役に立てるのです」。

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画像クレジット：Union54

【原文】

More than 40 African startups from a handful of countries have gone through YC over the past decade . Zambia joins that list today, and its entrant, Union54, is a worthy first entry.

Union54 (54 is a nod to the number of African countries) is a fintech company founded by Perseus Mlambo and Alessandra Martini. The startup claims to be Africa’s first card-issuing API and only just launched this year. But to paint the picture, Union54 didn’t come out of thin air; it is a project from the couple’s earlier startup Zazu .

Zazu was launched in 2015 as a challenger bank in Zambia. As with any fintech on the continent, Zazu had to create its own debit cards that users could connect to a wallet. Most times, Zazu would have to wait months for partner banks in the country to issue these cards. Mlambo tells me that at one point they had to wait for 18 months.

All this while the founders began to work with banks around the region to start issuing cards themselves . But the banks were lethargic in their approaches. “We just realized that either the processor or the bank was not necessarily well equipped to be able to answer our questions or to be able to give us the product that we’re looking for,” Mlambo said to TechCrunch in an interview.

The startup decided to go for the bullseye and meet with Mastercard. I mean, why wait for banks when you can bag those who issue these cards in the first place, right? Ultimately , the company got a Mastercard Principle membership, the first fintech from Africa, it claims .

As a principal member, Zazu became authorized to act as an “issuing bank.” In other words, they can provide debit cards and as “acquirers,” which means they can provide transaction processing services.

Along the way, the founders realized that to really advance African fintech, it was imperative to make it easier for any African country’s fintech to issue virtual or physical debit cards. So the team spun out Union54 from Zazu. The platform now has   several APIs that make it simple for any fintech to issue programmable debit cards .

“We’ve now used our membership to be able to help other companies, any African fintech who wants to issue their own cards . They can just come to us, plug into our APIs, and move quickly , without needing to spend a long time negotiating,” Mlambo said about providing the service for other African fintechs.

The CEO adds that the company targets fintechs that don’t want to spend hundreds of thousands of dollars in setup fees to get virtual or physical cards. Union54 claims to issue cards in weeks via an API that does BIN sponsorship, program management and settlement, among other features.

Being able to do this gives Union54 bragging rights as Africa’s first card-issuing API. Fintechs have rarely looked at this opportunity; most are focused on other segments from payment gateways to wallets . It’s an interesting point to note because somehow, all the big players in these segments end up trying to create virtual and physical cards for their customers and face complications doing so . That’s the void Union54 wants to fill, and although it’s currently in beta, the company boasts of an impressive unnamed clientele signed up on its wait list and currently using the platform.

“The fascinating  thing about these companies is that they are not B or C players. They are in the top 5% of African fintech . And for me, I always tell people, we’re now in the golden generation of African fintech. So it’s really the perfect time for a card-issuing product to be able to work with all of these guys considered leaders in their space . It means we really do have something that people want to use every day,” the CEO added.

On the company’s site, there are eight use cases for its API: ledger-based, acquirers/gateways, buy now, pay later, credit union, delivery companies, digital banking, credit card management and corporate cards.

Fintechs using Union54 are also allowed to design the cards and set the currency in which they want the cards to be charged , and set an extensive catalog of who will use them, what they will be used for, when they will be used  and how they will be used .

Union54 charges fintechs on a pay-as-you-go basis for every API call. If a fintech company wants to create a physical card, they are charged a flat fee between $7-9 and an undisclosed flat fee when a transaction is made .

Mlambo says getting into the summer batch of YC 2021 has allowed the company to sign up its first set of customers, as most of them have come from YC’s network . He calls YC a program that has been “worth it from day one.”

“I am really excited and proud that Union54 has become the first Zambian fintech to get accepted into Y Combinator . And the second in Southern Africa. As you will know, when global investors look at Africa, they often do so from a West African perspective and our getting into Y Combinator validates a small part of our broader hypothesis: it is possible to service Africa from friendly jurisdictions such as Zambia.”

（文：Tage Kene-Okafor、翻訳：Nob Takahashi / facebook）

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