日立ら、製造プロセス改善ソリューションを開発–インフォマティクス事業強化
今回は「日立ら、製造プロセス改善ソリューションを開発–インフォマティクス事業強化」についてご紹介します。
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日立製作所(日立)と日立ハイテクは、製造プロセスの最適化を支援する「製造プロセス改善ソリューション」を開発し、インフォマティクス事業を強化する。1月23日に日立と日立ハイテクが発表した。4月から試験導入に参加する半導体・電池・素材メーカーなどの顧客と実証した上で、日立ハイテクが提供を開始する。
同ソリューションは、製造プロセスの最適化を支援するサービス。「高効率な製造プロセス提案」と「パラメータ最適値探索の支援」の2つのサービスを提供する。
製造プロセス提案では、日立グループの専門コンサルタントが、製造プロセスに特化した独自データベースと生成AIを活用し、プロセス案と課題解決案を提案する。
独自データベースは、特許情報などのオープンデータと日立ハイテクの解析・分析装置事業で培ってきた知見を組み合わせた、製造プロセス情報データベース。これを活用し、最適な製造プロセスの探索が可能な生成AIを構築している。専門コンサルタントが独自データベースや生成AIを使いこなすことで、さまざまな分野における製造プロセス関連の知見なども取り入れ、個別最適をした製造プロセスの提案が可能になる。
パラメータ最適値探索では、マテリアルズインフォマティクス(MI)技術を応用した「インフォマティクス」により、各プロセスの条件設定など、各種パラメータの最適値探索を支援するシステムをSaaSとして提供する。
インフォマティクスは、さまざまな数値データや画像データを蓄積した上で行う。例えば電子顕微鏡などで撮影した画像データの場合は、画像解析により特徴量を抽出して数値化し、さらに、材料の配合条件やプロセス条件などの数値データを用いて、インフォマティクスにより最適な条件で探索する。
同ソリューションにより、プロセス探索の高度化が可能となり、新たな視点で製造プロセスの検討と最適化を促せる。また材料やエネルギーの無駄を削減し、良品率向上やプロセス探索にかかる時間や労力を削減できる。このほか、二酸化炭素(CO2)排出や廃棄物の削減にも貢献できる。
製造業では、市場ニーズの変化に対応するため、高精度な材料と製品をスピーディに製造することが求められている。しかし従来の製造プロセス探索は、プロセス開発エンジニアなどが経験・知見を頼りに試行錯誤を繰り返す必要があった。このため時間とコストがかかるだけでなく、CO2排出と廃棄物の増加にもつながるという課題があった。