富士通、「横断的なコンサルティング」サービスに注力–ビジネスとテクノロジーの2軸で強化

今回は「富士通、「横断的なコンサルティング」サービスに注力–ビジネスとテクノロジーの2軸で強化」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 富士通は2月22日、自社のコンサルティング事業を強化する旨を発表した。新たな事業ブランド「Uvance Wayfinders(ユーバンス・ウェイファインダーズ)」を立ち上げ、1月から認定コンサルタントを順次輩出している。2025年度までにビジネスコンサルタントを3000人、テクノロジーコンサルタントを7000人の計1万人規模を目指すという。

 富士通 執行役員 SEVP グローバルビジネスソリューションビジネスグループ長 兼 全社Fujitsu Uvance担当の高橋美波氏は「従来のサイロ型ではなく、横断的なテクノロジーコンサルティングが必要。統合的に顧客ニーズを捉えて、対するソリューションを当てはめていく」と強化理由を説明した。

 以前から富士通はコンサルティングビジネスに取り組んできたが、2023年5月に発表した2030年までの中期経営計画を加速させるため、事業ブランド「Fujitsu Uvance」の冠を用いたUvance Wayfindersを創設した。

 基本的には社会課題を解決するビジネスコンサルティングと、データと技術を用いてビジネスを加速させるテクノロジーコンサルティングの2軸。一見すると一般的なコンサルティングサービスと大差ないように見えるが、富士通 執行役員 SEVP CRO 兼 グローバルカスタマーサクセスビジネスグループ長の大西俊介氏はUvance Wayfindersを立ち上げた理由を3つ挙げた。

 「一つ目は産業構造の変化は業種・業界の区切りがなくなった。今や製造業、サービス業というレベルではない。この環境下で新たなビジネスチャンスをつかみ、持続可能性を実現する。つまり“リアルなビジネス”を作らなければならない。二つ目はテクノロジーのインパクトが想像以上に速く、スケールの大きさはわれわれの想像以上だ。社会変革を想定しながらビジネスモデルを考える必要がある。最後は社会構造の変化に対応するにはわれわれ自身の変化が必要。その一つが顧客との関係だ。要件を伺って正しく作るのではなく、(双方が対等の立場に立つ)イコールフッティングで事業を作り上げていく」と説明した。

 その上で大西氏は「コンサルティングビジネスは業種業態で区切ってきたが、業種を超えたクロスインダストリーの事業モデルが必要。世界各国のR&D(研究開発)拠点と協力しながら価値提供につながるテクノロジー」が富士通の強みだと述べている。

 Uvance Wayfindersはビジネスコンサルティングで顧客体験(CX)を第一段階とし、持続可能性と垂直統合(SV)、優れた経営(MX)、卓越したオペレーション(OX)、従業員の卓越性(EX)、技術的優秀性(TX)が第二段階。テクノロジーコンサルティングはアプリケーション、データ&AIが第一段階、第二段階は俊敏性、IT価値の変革、ハイブリッドインフラストラクチャー。第三段階としてセキュリティやキーフォーカステクノロジーの実現を目指す。

 富士通は現在1400人程度のコンサルティングメンバーを、2025年度までに1万人以上に押し上げる予定だ。内訳はグループ企業の従業員6000人のリスキリング、3000人の新規採用、1000人以上を合併・買収で実現させるという。同事業には富士通グループから2020年に独立したコンサルティング業務を手掛けるRidgelinezも参画する。

 Ridgelinez 代表取締役CEOの今井俊哉氏は「われわれはクライアントファースト。幅広いカスタムベースを持つ富士通と連携することで、多くのチャンスが生まれる」とコメントした。同社は主にビジネスコンサルティング分野で協力する。

 大西氏は「こだわりたいのはリアリティーと社会性。例えば『経営改革はトップダウンのコミットメントが大切』というが実現できる日本の企業は限られる。その際の処方箋や背中の押し方を見極めないと改革は進まない」と新事業に対する意気込みを述べた。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
「Raspberry Pi Pico」の独自チップ、単体で商品化 日本では10個1265円
企業・業界動向
2021-06-02 23:01
生体認証VS.パスワード–デジタル認証に関する意識調査
IT関連
2023-04-04 16:00
果菜類の植物工場および完全自動栽培の実現を目指すHarvestXが5000万円を調達
ロボティクス
2021-01-19 17:33
NEC、2024年度上期決算は実質的な増収増益–グループ再編の大きな動き
IT関連
2024-10-31 07:54
Amazon MemoryDBのベクトル検索機能が正式リリース。数百万のベクトル埋め込みを保存し、数ミリ秒でベクトル検索を実現
AWS
2024-07-30 09:27
ピュア・ストレージ幹部が語る、シンプルさ実現の鍵は「洗練されたソフトウェア」
IT関連
2024-06-27 18:14
ServiceNow JapanとJSOL、横浜市の子育て支援拠点のシステム構築に着手–利用者の利便性を向上
IT関連
2023-07-15 09:19
インテルのニューロモーフィックシステム「Hala Point」–1秒間に2京回の演算処理
IT関連
2024-04-27 13:11
コンテンツクラウドで日本社会のDX実現–Box Japan・古市社長
IT関連
2023-01-07 14:02
社員のワクチン接種や副反応を自社のノーコードアプリで管理 アステリア
DX
2021-06-08 01:13
CLMシステム構築あってのAI活用–ドキュサイン・ジャパンの竹内社長
IT関連
2024-01-07 16:03
マイクロソフトが初心者向け生成AI学習教材公開/ソフトウェアに関わる人が知っておきたい法則10個/GitHubはMac miniを分解している、ほか。2024年1月の人気記事
編集後記
2024-02-02 23:36
弁護士ドットコム、AI法律相談チャットサービスを試験提供
IT関連
2023-05-13 12:17
国内ITサービス市場は2024年以降も年平均6%超の成長を継続へ、IDC Japanの予測
業界動向
2024-12-25 02:46