準天頂起動衛星みちびき利用、車椅子ユーザー向け介助システム「B-SOS」と視覚障害者向け歩行ナビ「あしらせ」実証実験

今回は「準天頂起動衛星みちびき利用、車椅子ユーザー向け介助システム「B-SOS」と視覚障害者向け歩行ナビ「あしらせ」実証実験」についてご紹介します。

関連ワード (事業、専用路、開発等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


準天頂軌道衛星みちびき(提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局)

車いすユーザー向け介助システムを開発するバリアフリーコンソーシアムと、視覚障害者のための歩行ナビゲーションシステムの開発を行うAshiraseは2月10日、大分県大分市の大分駅前にて2つの介助サービスの実証実験を1月24日に実施したと発表した。1つは、車いすユーザーの突発的な問題に付近の介助者が急行できるようにするシステム「B-SOS」。もう1つは歩行ナビゲーションを行うシステム「あしらせ」。これらは、Ashiraseが提案し、内閣府と準天頂衛星システムサービスによる2021年度「みちびきを利用した実証事業」に採択された事業だ。

B-SOSシステムは、車いすユーザーが単独で移動している際、段差や側溝にはまって立ち往生してしまったときなどに、付近にいる介助者がすぐに駆けつけられるようにサポートするというものだ。みちびきが配信するセンチメートル精度の測位補強情報「CLARCS」(クラークス)を利用して、B-SOSアプリに現場までのナビゲーション情報を示す。

B-SOSシステムのアプリ画面(ラムダシステム)

実証実験は、植え込みで車いすが脱輪、歩行路が上り坂で上がれない、店の車いす専用路に段ボール箱が置かれていて入店できないという3つの場面を想定し、社会福祉法人太陽の家の車いすユーザーと、大分東明高等学校の看護学生が参加して行われた。介助を求める人から、100m、200m、300mの各地点でSOSを受信した看護学生がB-SOSのナビゲーションに従って駆けつけた。

B-SOSシステムでSOSを受信した介助役の看護学生により救出される様子

もう1つは、Ashiraseが2022年度に提供開始を予定している、視覚障害者向け歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」を使った実験。ここでは、みちびきのサブメーター級測位補強情報の配信サービス「SLAS」(エスラス)と組み合わせて、社会福祉法人大分県盲人協会の協力により視覚障害者に300mのコースを歩いてもらった。このシステムは、視覚障害者向けに特化した誘導情報を生成し、靴に装着した独自の振動インターフェイスで足に信号を伝える。音声を使わないため、聴覚を邪魔しないというメリットがある。また、目的地に到着しても建物の入口がわからないとった課題も想定し、被験者が目的地に近づいたときに人が出迎えて誘導する「あしらせお出迎え」サービスの検証も行った。

視覚障害者向けの歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」

あしらせ実証実験の様子

バリアフリーコソーシアムは、おおいたサテライトオフィス、ラムダシステム、宇宙システム開発利用推進機構、minsoraで構成される団体。

大分県を中心に企業の支援事業を展開するおおいたサテライトオフィスは、同県の車いすユーザーの窓口を担当。ラムダシステムは、システム開発を担当。宇宙システム開発利用推進機構はCLARCS利用の技術サポートを担当した。minsoraは、この事業のとりまとめを担当している。バリアフリーコンソーシアムは、大分県内でのB-SOSシステムの事業化を目指すとしている。また今回、CLARCSの配信プロバイダーサービスを2022年4月に開始する予定のminsoraは、宇宙システム開発利用推進機構との業務提携を発表している。

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