BtoCからBtoBへと市場拡大図る–インフキュリオンのキャッシュレス決済サービス
今回は「BtoCからBtoBへと市場拡大図る–インフキュリオンのキャッシュレス決済サービス」についてご紹介します。
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キャッシュレス決済が拡大している。経済産業省はその比率を2025年までに4割にする目標を打ち出している。実現のカギの1つは、バーコードやQRコードなどによるコード決済にありそうだ。
現在、キャッシュレス決済の8割超をクレジットカードが占めるものの、コード決済の利用が急拡大しており、電子マネーを抜く規模に成長している。そんな決済サービスの仕組みをASP(アプリケーションサービスプロバイダー)サービスとして提供するのがインフキュリオンだ。スマートフォン決済プラットフォームや国際ブランドカード発行プラットフォームなどを展開し、個人(BtoC)から法人(BtoB)へと裾野を広げることに挑む。
同社は2006年、ジェーシービー(JCB)出身の4人で創業した。そのうちの一人、現在インフキュリオンで社長 兼 最高経営責任者(CEO)を務める丸山弘毅氏は「当時、カード会社の仕組みやオペレーションの枠組みでは、新たなキャッシュレス決済は広がらないと思い、別の枠組みを考えるためにJCBを飛び出した」と、インフキュリオンを立ち上げた理由を説明する。
具体的には、「新しい技術や他産業で発展する技術をキャッシュレスに活用し、新たなサービスを創り出すこと」(丸山氏)で、2010年にスマートフォンやタブレットを決済端末にするサービスを始めた。同氏は、「(専用決済端末より)安価にすれば、キャッシュレスが広がる」との思いで市場に投入したという。その数は約12万台に達する。
第2弾は2018年に提供を開始した自社オリジナルPayを構築するスマホ決済プラットフォームだ。バーコード決済やユーザー管理、バリューポイント発行などの機能をAPIで提供し、スマホアプリやウェブサービスに組み込むもの。第3弾は2021年に提供を始めた自社サービスに決済機能を組み込む「JCB」や「Visa」など国際ブランドカード発行プラットフォームで、カード発行や機能設定、利用可否判定、利用履歴照会などの機能をAPIで提供する。
丸山氏によると、銀行法の改正によって、小売業などが自社サービスに決済機能を組み込み始めたため、クラウドとAPIを活用した決済サービスプラットフォームを開発したという。数百億円もの投資が必要だったカード発行のためのセキュアなシステムを、低コストで利用できるようにしたわけだ。
ユーザー企業が同社のサービスを採用する上で、サービスの内容だけではなく、実績と同社の信頼も基準にするだろう。丸山氏は「2010年から決済端末を24時間365日運用し、情報漏えいなど大きな問題は起きていない」と、運用実績を確実に積んできたという。加えて、創業からコンサルティングを展開し、自社カードの発行やPayアプリの提供など金融サービスに参入する流通業や通信会社などに、企画から要件定義、システム開発、サービス開始まで伴走する。一般社団法人Fintech協会の初代代表理事会長を務めるなど、キャッシュレス決済の普及活動にも取り込んでいる。