コロナ禍対応一巡で、「従業員エンゲージメント」が低下–クアルトリクス
今回は「コロナ禍対応一巡で、「従業員エンゲージメント」が低下–クアルトリクス」についてご紹介します。
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クアルトリクスは2月17日、日本を含む世界 27カ国・地域を対象とした従業員エクスペリエンス(EX)のトレンド調査の結果を発表した。これによると、日本の従業員エンゲージメントは2020年の前回調査と比べて低下したという。
同調査は2021年8~11月、現在企業でフルタイム勤務している18歳以上の2万496人を対象に実施された。日本の回答者は1020人。
エンゲージメントを測定する3つの設問に対し、「非常にそう思う」「そう思う」とした日本の回答者の割合を平均したところ、2020年は45%、2021年は37%で8%低下した。世界平均では66%のままで横ばいだったことから、この変化は日本特有のものだといえる。
EXソリューション ストラテジーディレクターの市川幹人氏は、「2020年はコロナ禍初期で企業や組織がさまざまな対策を実施し、その影響で従業員エンゲージメントが上昇した。そうした取り組みが一巡して、今回は低下したとみられる」と説明した。
調査において同社は、エンゲージメント項目に対する回答と相関がある項目を5つ抽出した(図1)。その結果、最も相関が高い項目は「仕事から得られる活力」で、仕事を通してやりがいやわくわくする気持ちを得られることが重要だと分かった。また、2位に「自社でのキャリア展望」、4位に「自社の将来展望」が入っていることから、将来の見通しもエンゲージメントに強く影響するとみられる。
海外では、人事関連のトピックとして「The Great Resignation(大量退職時代:経済活動の回復や労働者の志向の変化によって転職者が増加する動き)」が挙がっている。この背景について市川氏は「従業員はコロナ禍でいろんな働き方があると知ってしまった。『今の会社より柔軟な働き方ができる会社があるのではないか』と外に目を向ける人が増えている」と述べた。
日本では世界平均と比べて、今後も今の会社で働く気持ちがある「継続勤務意向」が高い。だが、「転職を考えることは滅多にない」という設問に対し、「非常にそう思う」「そう思う」とした回答者の割合は、2020年(76%)から2021年(70%)で6%低下した。
特に若年層の継続勤務意向は低く、全体平均の70%に対し、29歳以下の回答者は62%だった(図2)。継続勤務意向を左右する要因には、エンゲージメントとも相関がある「自社でのキャリア展望」(6位)や「自社の将来展望」(10位)がある一方、「会社の一員であることを実感」(1位)や「仕事で自分らしさを維持」(4位)も挙がっている。「『自分は会社にいてもいい』と従業員が思えることが大事であり、そうした実感を持てないと継続勤務意向は低下してしまう」と市川氏は指摘した。