Eコマース企業Wayfairに見る機械学習活用のポイントとは

今回は「Eコマース企業Wayfairに見る機械学習活用のポイントとは」についてご紹介します。

関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 オンラインショッピングでソファーのような大型商品を購入する際には、受け取ってみたら思っていたものとまったく違っていた、などという状況には絶対に陥りたくないはずだ。この手の過ちは、購入者にとって大きなコストが発生するいら立たしい結果になるだけでなく、その商品を販売している企業にとっても大きな痛手となる。

 では、テクノロジーを用いてショッピングエクスペリエンスをより楽しいものにするとともに、商品配達日に不愉快な驚きに見舞われるというリスクを低減できるとすればどうだろうか。

 これこそ、Wayfairが機械学習(ML)を活用して実現していることだ。Eコマース企業として家具や家庭用品のオンライン販売を手掛けている同社は、人工知能(AI)を手掛ける新興企業Snorkel AIの力を借りて構築した独自のプラットフォームを運用している。

 WayfairのML担当ディレクターであるTulia Plumettaz氏によると、同社のプラットフォームはコンシューマーのオンライン検索エクスペリエンスの質を高め、注文時に思い描いていた通りのソファーを受け取れるようにする上で役立っているという。

 同氏は「当社は、輸送が容易でない大型商品も扱っている」と述べ、「(顧客が)商品からインスピレーションを得られるとともに、購入したものとまったく同じ商品を受け取れるという安心感も得られるようにしたいと考えている。しかもこういったことを、(顧客が)商品に手を触れずとも可能にしたいのだ」と続けた。

 この種の高い品質のオンラインエクスペリエンスを実現するというのは決してたやすい話ではない。Wayfairのウェブサイトは、大きさや色、質感といったバリエーションのある数千種類にも及ぶ商品を扱っている。

 また同社は、サプライヤーが顧客に商品を販売できるようにするためのプラットフォームも提供している。この事実によって、物事はさらに複雑なものになっている。Plumettaz氏によると、サプライヤーから受け取る商品情報が十分ではないため、顧客に詳細な説明を提供することが難しい場合もあるという。

 そういった点で、豊富な商品説明を提供する際にSnorkel AIのプラットフォームが重要な役割を果たしている。

 同氏は「サプライヤーには、われわれの先進的なテクノロジーを用いて当社とビジネスを推進していくことが簡単だと実感してもらいたい。『Wayfairに写真と情報を渡せば、さほど大した作業をせずともその商品が売れ始めた』と言ってもらいたいのだ」と述べた。

 また同氏は、設計の提携関係によって開発されたカスタムソリューションを通じた、MLによる「迅速なラベル付け作業」が実現できていると述べた。

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