さくらインターネット、IoTサービス向けPaaS–データプロトコル意識せずに開発

今回は「さくらインターネット、IoTサービス向けPaaS–データプロトコル意識せずに開発」についてご紹介します。

関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 さくらインターネットは3月24日、以前からベータテストを実施してきたIoTサービス向けPaaS「さくらのモノプラットフォーム」(モノプラ、正式版)の提供を開始した。同社はIoTプラットフォーム「sakura.io」やIoT/M2M向けSIMサービス「さくらのセキュアモバイルコネクト」などを提供してきたが、モノプラはIoTデバイスとクラウドアプリケーションの中間に位置するPaaSや開発環境として利用できる。

 「IoT分野における技術面とビジネス面の両者にある課題を解決し、顧客に必要とされ続けるサービスとしての発展」(同社IoTプラットフォーム事業部 部長 竹井清恭氏)を目指す。

 モノプラは2021年7月からベータテストを開始し、これまで120社以上が参加している。自然エネルギー発電設備や農業設備の稼働状況監視、車両内の電子機器に代表される移動体の把握などに活用されているという。

 今回の正式版リリースにあたり、同社IoTプラットフォーム事業部 プロダクトマネージャー 小田島太郎氏は「特定のハードウェアや言語などに依存しないオープン性を重視する設計コンセプトで開発している」と説明する。

 Nordic SemiconductorのLTE通信モジュールである「nRF9160」で動作を確認し、ハードウェアによるロックインを極力避けた設計を施している。通信方式の自由度も重視し、リリース時点では同社のセキュアモバイルコネクトを利用するが、「将来は回線の種類を問わず、受け入れられるようにする予定」(同社IoTプラットフォーム事業部 プロダクトマーケティングマネージャー 西田有騎氏)だ。

 従来のIoTサービスは、IoTデバイスとクラウドアプリケーションが直接通信する方式が多かったものの、IoTデバイスとクラウドアプリケーションの間にモノプラが加わると「単にオーバーヘッドがかかるように見えるが、IoT開発の負荷を大幅に軽減」(小田島氏)できるという。

 その理由としては「IoTデバイスとアプリケーションが直接通信する従来方式では、アプリケーションが必要とする通信プロトコルやデータ形式をデバイス側で実装しなければならない。デバイスの計算資源が乏しい場合、アプリケーション側の妥協が必要になる」(小田島氏)

 モノプラの場合はIoTデバイスからバイナリー形式でデータ転送し、モノプラのIoT基盤がアプリケーション用にJSON形式に変換。あとはクラウドアプリケーションへHTTPやWebSocketでデータを送信。この仕組みで相互通信が可能だと解説した。つまりIoT環境を必要とする企業はIoTデバイスの開発や選定時のデータプロトコルを意識する必要がなくなる。

 さらに複数のアプリケーションがIoTデバイスからデータを取得すると、「複数回の通信が発生し、アプリケーション数に応じてIoTデバイスの負荷も高まりかねないが、モノプラが間に入ると通信は1回で済む」(小田島氏)

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