運用管理とセキュリティを統合した「XEM」を提供–タニウムが事業戦略

今回は「運用管理とセキュリティを統合した「XEM」を提供–タニウムが事業戦略」についてご紹介します。

関連ワード (セキュリティ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 タニウムは4月22日、報道関係者向けに事業戦略を発表した。

 同社 マーケティング本部長の齋藤純哉氏は記者会見の冒頭、ウクライナ危機の影響で「国内外で多数のサイバー攻撃が観測されている」といい、「国内企業も過去1カ月以内に攻撃を受けた企業が3割を超える」という帝国データバンクの調査結果を紹介した。

 また、リアルタイムな脅威検知が重視されるようになってきていることを示す事例として、次の点を指摘。同社が推進してきた「サイバーハイジーン」(サイバー衛生)や「リアルタイムな検知/監視」の重要性に対する市場の認識が高まっているとした。

 続いて、同社 代表執行役社長の古市力氏が2023年度の国内事業戦略を説明した。まず、国内市場の現状について「コロナ禍が始まって2年強が経過したが、最初の1年はセキュリティ業界の動向がガラッと変わった」といい、「最初のころはVPN(仮想私設網)の増設で、われわれのビジネスであるエンドポイントのところは少し鈍化した/後回しになった」と振り返る。しかし、「2021年辺りから『リモートワークのためのエンドポイントをちゃんと管理しなくてはいけない』という流れが出てきて、さらにインシデントも多く発生している中で、われわれのソリューションに対する興味・関心も多く出てきたと認識している」

 同社のビジネスは順調に推移しているという。2021年2月には米国外で初となるデータセンターを日本に開設し、クラウドサービス「Tanium Cloud 1st」を開始した。現在は新規顧客の80%超が同サービスを選択しており、さらにオンプレミスで運用する既存顧客のクラウド移行も始まっているという。

 こうした動向も踏まえて、古市氏は2023年度の重点領域として「Tanium Cloud 1stの徹底的な推進」「お客さまのDX(デジタル変革)施策を強力に保護するXEMの提供」「パートナー協業強化による顧客基盤の拡大」の3点を挙げた。

 クラウドに関しては、前述の通り新規顧客でクラウド採用が主流となっているほか、既存顧客のクラウド移行も伸びているという。グローバル企業などで、海外子会社なども含めてグローバルで統一の基準でセキュリティを運用し、ガバナンスを効かせていきたいといったニーズがある場合などにクラウドに移行して実現する例が多いという。

 次に、「XEM」(Converged Endpoint Management、コンバージドエンドポイント管理)は同社が提唱する“セキュリティ業界最新のカテゴリー”であり、要は同社のソリューションをXEMと呼ぶことにした、という話だと理解してよいだろう。その意味として、古市氏は「Convergeには『クロスする』という意味が含まれており、さらに英語の“X”には『全てを網羅する』という意味があることを踏まえた名称」だと説明した。

 ごく単純に言えば、「運用管理とセキュリティの両方をサービスとして提供し、全てを網羅していく」という考え方になる。従来は運用管理やデバイス管理とエンドポイントセキュリティが別ジャンルの製品として独立しているのが一般的だったが、同社のソリューションではその両者が統合されているという特徴を強調する名称として打ち出されたものと理解できる。

 パートナーとの協業強化では、今後もパートナー経由のビジネスを継続するとともに、現在は大企業や大規模な公共機関などが中心の顧客層を中堅中小企業に拡大していく方針。「中堅中小企業でもより簡単・安全に使えるような環境を提供していきたい」(古市氏)

 XEMソリューションについては、同社 執行役員・テクニカルアカウントマネジメント統括本部長の小松康二氏が説明。同氏は、XEMについて「あらゆる変化に適応可能なワンストップ型のエンドポイント管理ソリューション」だといい、特徴として「多様化するさまざまなエンドポイントを網羅的にカバーする」「エンドポイントが必要とする管理機能を、運用管理からセキュリティに至るまであらゆる機能を包括する」の2点を挙げた。

 XEMの提供する主なソリューション領域は、「資産の把握とインベントリー」「クライアント管理」「リスクとコンプライアンス管理」「機密データの監視」「脅威のハンティング」の5つという。

 また、ソリューションの強みは「可視化」と「対処」がセットで提供される点だといい、「リスクの把握と“Actionable Insights”(可視化した情報をアクションに落とし込める洞察)の提供を重視している」(小松氏)

 「XEMを通じてあらゆるエンドポイントに対して必要となる全ての機能を網羅的に提供し、日本のお客さまのビジネス、そしてDXの推進をセキュリティの観点から強力に支援していく」と小松氏は語った。

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