第3回:IT部門がDX新組織で主役になれていないケース
今回は「第3回:IT部門がDX新組織で主役になれていないケース」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
第1回では、DX組織の人材の内訳より、IT部門とDXの係りについて、第2回では、「IT部門がDXの新組織で主役となっている」ケースでの要因を深堀した。第3回の本稿では、「IT部門がDXの新組織で主役になれていない」ケースでの要因(課題)を解説する。
図8は、新会社を設立した企業の形態「1.単独型」「2.複数出資型」が、IT部門を飛び越して、新しく組織された事業部門と意気投合し、新しいビジネスモデルの設計をしている様子を示した。まだ「ITの話」(テクノロジー活用)までは出てきていないため、IT部門には声がかからない状態である。しかし、現状ではITの話になっても、いまだにIT部門に声がかからない(蚊帳の外)。これはなぜだろうか。
DXビジネスの新会社や新事業部がIT部門に声をかけずどんどん話を進めてしまう要因は、彼らにとってDXが「ビジネスの話」なので当然である。ただ、DXは「デジタルの話」でもあるため、最終的には「ITの話」に戻ってくる必要がある。また、「DXはビジネスの話」と過信してIT部門が最初から関与していない案件は、「IT部門がDXの新組織で主役となれていないケース」となる。このようにDXが推進されるようになった2020年頃から2年ほどが経過し、疎外感を味わっているIT部門も多いはずだ。
このケースにおける要因(課題)は、日頃からビジネスサイドがIT部門を、ビジネス案件を「否定的に見る」「リスクを大きく見て、コストを高く見積もる」と見なしていた点も否めない。ただIT部門側から見れば、新規ビジネスの新規のIT構築は、リスクも大きく、失敗する可能性も高い。そのため、ITの企画しか経験して来なかった本社IT部門だけでは、スピード重視で優位性を獲得するというDXの短期決戦での新規ビジネスのため新規のIT構築は、リスクそのものであり、DXの上流工程が開始される前の時点で、既に「パンドラの箱」となっている。
それでは、なぜ図8のような、IT部門が「蚊帳の外」となる話が出てくるのか。IT部門に類似した経験はないのだろうか。