企業のオープンソース活動を支援するOpenInfraの「Directed Funding」
今回は「企業のオープンソース活動を支援するOpenInfraの「Directed Funding」」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
今では、ほぼすべての主要なソフトウェアが、オープンソースの手法を用いて開発されている。オープンソースの概念は、ハードウェアの開発の世界も変えている。例えば、データセンターで使用するサーバーなどのハードウェアの設計を公開する「Open Compute Project」や、RISC-Vのチップがその例だ。そして最近開催された「OpenInfra Summit Berlin」では、Open Infrastructure Foundation(OpenInfra)が、オープンソースプロジェクトと関与したい企業を支援する仕組みである「Directed Funding」モデルを発表した。
Directed Fundingは、ユーザーと開発者、企業にとって成功だと言えるオープンソースプロジェクトを生み出してきたOpenInfraの、確固たる実績に基づいて作られたモデルだ。このモデルは、特にオープンソースのIaaS(Infrastrucuture-as-a-Service)クラウド技術である「OpenStack」や、軽量の仮想マシン(VM)を使ったオープンソースのコンテナランタイムである「Kata Containers」、人気のある継続的インテグレーション(CI)サービス「Zuul」などで得られた教訓を参考に作られている。
このモデルを利用すれば、ビジネスに利用できるプロジェクトに直接資金を提供することができる。これは、オープンソースインフラプロジェクトに持続可能なコミュニティを構築できるということだ。そして、それを元にしてビジネスを構築することができる。
その仕組みはどうなっているのだろうか。まず最初に押さえておくべきことは、OpenInfraは、オープンソースインフラプロジェクトにとって、中立で協力的なホームグランドだということだ。OpenInfraの手法は、持続性を確保するためのモデル(3つの力)、協力の原則(4つのオープン性)、そして同組織が持っている、開発者、企業、運用事業者からなる大規模でオープンなインフラのネットワークによって支えられている。
「3つの力」は、開発者、エンドユーザー、企業のことを指している。重要なのは、その3者のニーズや要件のバランスを取ることによって、全員が満足できる好循環を生み出すことだ。そう言うのは簡単だが、それを実行するのは難しい。
しかしOpenInfraは、それを実行してきた。例えば、Ant GroupのシニアスタッフエンジニアであるXu Wang氏は、「私はKata Containersプロジェクトに5年関わってきたが、OpenInfra Foundationがこのプロジェクトの育成や、コントリビューターやユーザーのコミュニティの拡大に果たした役割について証言することができる。このモデルは確かに私たちのプロジェクトでうまく機能した。オープンソースプロジェクトの構築を成功させたい企業には、OpenInfraの提案を検討することを勧めたい」と述べている。