LegalForce、シリーズDラウンドで137億円の資金調達–海外進出も明らかに
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契約審査プラットフォーム「LegalForce」と人工知能(AI)契約管理システム「LegalForceキャビネ」を提供するLegalForceは6月23日、シリーズDラウンドにおける総額約137億円の資金調達と海外進出を発表した。
今回の資金調達により、累計調達額は179億円となり、リーガルテック領域においてはグローバルで見ても比較的規模が大きいとLegalForceの代表取締役社長を務める角田望氏は述べた。同領域への投資が進む北米の企業と比べても上位に位置する規模だという。
同ラウンドはSoftBank Vision Fund 2をリード投資家とし、Sequoia Capital ChinaとGoldman Sachsに加えて既存投資家であるWiL、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタルが参画。「Global Unicorn Index 2021」によると、Sequoia、SoftBank、Goldman Sachsは、投資しているユニコーン企業数でそれぞれ1位、3位、5位だという。グローバルで投資を展開する投資家からLegalForceのポテンシャルが評価されたとの見方を角田氏は示した。
調達資金は、人事採用、開発強化、営業体制強化、マーケティング、新事業に投資する予定だという。
今回の資金調達を受け、角田氏は、新事業として海外進出を発表した。グローバルで投資を展開する企業の参画により、世界のリーガルテック企業と肩を並べる額の資金調達を実施するということで、自社のミッションである「全ての契約リスクを制御可能にする」を世界で実現することに向けて投資をしたいとの考えを述べ、「その中において、海外戦略は避けて通れない。日本初のリーガルテックあるいはソフトウェアを世界に問うていきたい」と続けた。
進出先としては、まずは英語圏を考えており、特に米国を中心に展開するという。「英語圏には1000社を越すリーガルテックのスタートアップ企業が存在するが、まだ黎明期であり可能性がある」とし、同社主力製品のLegalForceと同様のサービスが現時点では存在しないことを角田氏は理由に挙げた。
2023年3月までに市場調査を完了し、初期プロダクトを投入したいとしている。日本で現在展開している製品をそのままに英語化して投入するのではなく、米国の市場や契約実務に適合した製品を作るという戦略のため、市場調査から進めるという。
海外展開にあたりグローバル戦略部を設立し、JP Biard氏が部長に就任している。
LegalForceは、法務の知見に自然言語処理技術や機械学習などを組み合わせた製品を開発・提供する。機械知性研究部門の設置、京都大学との共同研究、開発専任の弁護士の在籍、法律事務所との提携を特徴としている。
同社が提供するサービスであるLegalForceは、案件受付や起案・審査といった契約締結までの業務をサポートする。LegalForceキャビネは、契約書の期限や権利・義務といった内容面を含めた契約締結後の管理を効率化する。
LegalForceは2019年に正式版がリリースされ、2022年3月末時点で導入企業数が2000社を超えている。LegalForceキャビネは2021年に正式リリースされ、2022年6月には導入企業が450社を超えている。
角田氏は同社の強みとして、このような実績に加え、法的知見、自然言語処理技術、データ量を必要とする「高い参入障壁」、契約業務のうち案件受付や起案・審査、管理といった部分で事業を展開する企業の少なさによる「未開拓な市場」を挙げた。