日立、AI映像解析技術で監視・警備業務を高度化するソリューションに新機能
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日立製作所(日立)は、独自開発の人工知能(AI)映像解析技術で監視・警備業務を高度化するソリューション「Hitachi Multifeature Video Search」(MVS)において、2つの新機能を拡充し、提供開始した。
MVSは、これまで、全身の特徴を使って検索対象人物を高速に発見・追跡できる「高速人物発見・追跡ソリューション」として提供されてきた。今回拡充した機能は、防犯カメラの映像から、特定の行動パターンをとる人物をリアルタイムで検知する「行動検知機能」と、荷物と人物の所有関係を認識する「荷物置き去り/持ち去り検知機能」となる。これらの機能により、大規模な公共空間における喧嘩などのトラブル、置き引きや不審物などの早期発見が可能になる。
行動検知機能では、MVSに取り込んだ映像から、人物の骨格情報を読み取り、その骨格の動きをもとに人物がどのような行為をしているかを解析して、アラートを発報する。
9種類の特定行動(走る・しゃがむ・倒れる・蹴る・殴る・指をさす・見回す・立つ・歩く)の検知が可能。「殴る」「蹴る」といった暴力行為をしている人物や、周囲を「見回す」動作を続けている不審人物や迷子の子どもなどを早期に発見できる。また、骨格の情報を事前にAIへ学習させることで、9種類以外の行動を検知することもできる。
骨格の形状や各関節点の動きの変化などの情報を用いることで、対象人物の向きや背景、服装などによる見え方の違いの影響を軽減し、高精度な検知を実現する。
荷物置き去り/持ち去り検知機能では、従来、荷物の所有関係について人と荷物との距離で判定していたものを「キャリーケースを掴んでいる」「リュックを背負っている」など、荷物所有時の画像上の特徴をあわせて深層学習することにより高精度に判定することができる。
荷物と人物の所有関係をひも付けて認識することで、置き去り前後の移動経路や行動把握、荷物を持ち去った人物の追跡が可能となる。
日立は、2021年10月から阪神電鉄とともに、阪神甲子園球場で新機能の実証実験を行ってきた。
日立社員を対象として、球場内のコンコースやスタンド席に設置されている防犯カメラとMVSを接続し、帽子や服装などの全身特徴からリアルタイムで人物検索を行った。その結果、約9割の精度で検索対象人物を発見できることを確認し、警備業務への本格導入の際は、検索対象人物の発見・追跡に要する時間を最大8割程度短縮できると見込んでいる。