AI企業セレブラスの世界最大プロセッサーが博物館に–CEOらに聞くこれまでと今後

今回は「AI企業セレブラスの世界最大プロセッサーが博物館に–CEOらに聞くこれまでと今後」についてご紹介します。

関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 テクノロジーは、あらゆる発明がそれ以前の成功や失敗を糧にしているという意味で、過去を引き継いでいるものだと言えるだろう。

 人工知能(AI)スタートアップのCerebras Systemsは米国時間8月3日、米カリフォルニア州マウンテンビューにあるコンピューター歴史博物館で行われたセレモニーで、その技術の伝統を担っていることを認められた。同博物館は、Cerebrasが開発した史上最大のコンピューターチップである同社の第2世代AIチップ、「Wafer-Scale Engine 2(WSE-2)」の展示を開始した。このチップは2021年に発表されたもので、同社の新型スーパーコンピューター「CS-2」に搭載されている。

 Cerebrasの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のAndrew Feldman氏は、米ZDNetの取材に対して、「コンピューター歴史博物館の世界的に有名なコレクションに加えられたのは、生涯の栄誉だ」と語った。

 コンピュータ歴史博物館のプレジデント兼CEOを務めるDan’l Lewin氏は、同じインタビューの中で、Feldman氏に対して「あなたたちが成し遂げた成果はスケールが大きく、非常に強力だ」と述べ、この成果は未来へ進むためのマイルストーンであり、その意味は驚くほど大きいとした。

 同博物館のウェブページにはこの技術の意義を伝えるブログ記事が掲載され、Cerebrasはプレスリリースを発表した。

 Lewin氏は、Cerebrasが成し遂げたことは重要だが、技術的な面だけでなく、人間の歴史に対しても重要な意義を持っていると語った。これは、同博物館の運営にあたって同氏が強調しているテーマだ。

 「私がいつも投げかけている問いは、コンピューターが存在しなかったら人類はどうなっていたかということだ」とLewin氏は述べた。

 同氏によれば、人類は今、コンピューター技術が気候変動などの大問題の解決に役立つか、それとも一種の隷属状態に繋がるのかの分岐点に立っているという。

 「私がこの業界で積み重ねてきた経験から言えば、もしEngelbart氏(コンピューターマウスの発明者であるDouglas Engelbart氏)と、同氏が行った「すべてのデモの母」と呼ばれるプレゼンテーションの背景にある考え方にまで立ち戻れば、私たち人類は、指数関数的な影響を及ぼす問題を生み出したことになる」と同氏は言う(訳注:Engelart氏は「人類のパフォーマンスは本来指数関数的に上昇していくものだ」と主張しており、この主張はEngelbartの法則と呼ばれている)。

 Lewin氏は「私たちは、世界規模の重大な問題を数多く抱えている」と述べ、技術はこれらの問題を改善できる可能性もあれば、悪化させる可能性もあると指摘した。

 同氏は、Cerebrasのチップについて、「このような形でコンピューティングを最適化できることは、技術には(中略)一部のビジネスモデルによって不幸な出来事を引き起こしてきただけではなく、もっと前向きな使われ方があることを明らかにしてくれるかもしれない」と評した。

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