第41回:列伝1人目「カイゼン型ひとり情シス」
今回は「第41回:列伝1人目「カイゼン型ひとり情シス」」についてご紹介します。
関連ワード (「ひとり情シス」の本当のところ、運用管理等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ひとり情シス協会が編集した「ひとり情シス列伝」の第一章は、従業員数200人規模の中堅製造業で現役のひとり情シスを務める増山大輔さんです。
新卒で製造業の大企業に就職後、改善活動や情報技術に関わりつつ楽しくやっていましたが、突然の転機で数十人の中小企業に転職しました。転職先では、希望を胸に自分のやりたいことを実現しようとしましたが、現実は挫折の連続でなかなか光明を見いだせなかったそうです。
しかし、従業員数が数十人から200人近くに成長していく段階で、さまざまなIT施策を敢行し、ビジネスに貢献してきました。現在でも完全なひとり情シス体制を敷いており、しかも最高情報責任者(CIO)的な立場で活躍されています。
ひとり情シス列伝の中では、多くのITベンダーや社内ステークホルダーに関わった経験から、さまざまなヒントやひとり情シスの心構えをお話しいただいています。ここでは、「ひとり情シスに伝えたい12のこと」の提言の中から2つを紹介します。
社内に説明する場合は、ソクラテスの「大工と話す時は大工の言葉でしゃべれ」に尽きると思います。ロジカルな部分も必要ですが、ITの専門用語や考え方は詳しくない人には伝わりにくいと思います。どれだけ話そうが資料を作ろうが、伝わらなければ意味がありません。
相手に伝えるためには、相手の知っていそうなことに例えて説明する必要があります。そして、そのためには自分自身がサービスを理解し、抽象度を上げておく必要があります。しかし情シスの人々は、気を緩めると知らず知らずのうちにIT用語を使ってしまい、相手をポカンとさせてしまいます。ここは相当意識しないといけません。ソクラテスが2500年前に言っていることは、今でも真理だと思います。
よくある報連相(ほう=報告・れん=連絡・そう=相談)の話ですが、報告に関していうと、完成度の高い完璧なレポートを作って提出しなければならないと思い込んでいました。しかし、そうすると時間がかかってしまったり、報告が遅れてしまったりします。
報告はキリのいいところで行うとしても、とりあえず相談だけはしておきましょう。「ほう・れん・そう」ではなく、「そう・れん・ほう」の順番です。「今〇〇の件をやっています」とか「途中で詰まってしまって今進んでいません」とか、それだけでも構いません。
これらを報告やレポートの体裁で綺麗にまとめようとすると、「こういった要因で詰まっていて、だから現状はこのような選択肢の中で……しかし、今こういうのができません」のような、長文の作文を執筆することになります。それよりも、伝えたいポイントだけを、まず「報告」すべきです。その方が情報の価値は圧倒的に高いです。上司に五月雨で分からないとか細かすぎるからまとめてくれとか言われてから、考え直せばよいのです。