DXの基本–定義、事例、重要性などを解説
今回は「DXの基本–定義、事例、重要性などを解説」についてご紹介します。
関連ワード (DXのトレンドと成功に向けたインサイト、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
編集部注:この記事は、2021年11月に公開した記事の内容を一部アップデートした2022年版として公開しています。
デジタルトランスフォーメーションとは
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、最も基本的なレベルでは、デジタルテクノロジーの使用によってビジネスプロセスを変更し、効率や効果を高める。その目的は、テクノロジーによって既存のサービスをデジタル形式で再現するだけでなく、そのサービスを大幅に優れたものへと変えることだ。
簡単そうだが、長い時間と多額の費用がかかる複雑なプロセスになることがあり、常に計画どおりに進むとは限らない。
デジタルトランスフォーメーションの主な分野
デジタルトランスフォーメーションの定義は、業界や個々のプロジェクトによって大きく異なる。だが、主な構成要素に含まれるものとしては、ビジネスモデルの再考、基礎をなすテクノロジースタックの変更、顧客体験の革新、さらには企業文化の再構築などが挙げられるだろう。
デジタルトランスフォーメーションに関連するもの
デジタルトランスフォーメーションには多種多様なテクノロジーが関連するが、現在、最も注目されているトピックは、クラウドコンピューティング、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)、ビッグデータ、人工知能だ。今後数年は、メタバースやブロックチェーン、デジタル通貨など、誇大宣伝されているテクノロジートピックへの注目度が高まると考えられる。
しかし、これはテクノロジーだけの話ではない。ビジネスプロセスと企業文化の変化も、これらのイニシアチブの成功において同じくらい重要になる。デジタルトランスフォーメーションプロジェクトは多くの場合、既存の大規模組織が俊敏なデジタル専門の競合に対抗するための手段だ。これらのプロジェクトは広範囲にわたる壮大なものになりがちだが、リスクがないわけではない。
デジタルトランスフォーメーションはIT業界で最もよく使われるフレーズの1つではあるものの、その定義はさまざまだ。誇大広告、表面的な情報、混乱があるとしても、デジタルトランスフォーメーションが企業文化にかなり重要な変化を起こすということには、誰もが同意するだろう。
デジタルトランスフォーメーションプロジェクトに含まれるもの
デジタル化とは、単純により多くのテクノロジーシステムやサービスを導入することだとよく言われるが、実際はそうではない。真のデジタルトランスフォーメーションプロジェクトでは、従来の手法に手を加えたり改善したりするのではなく、ビジネスモデルとビジネスプロセスを根本的に再考することになる。
この創造的な要件は、ビジネスリーダーにとって依然として厳しい課題だ。Cass Business Schoolの調査によると、大半の組織は新たなアイデアを考え出すことに関して問題を抱えていないが、斬新なビジネスモデルを導入することや、良いアイデアを組織の目標に変えることには、多くの企業が失敗しているという。
この革新と実行のギャップを見ると、以前からデジタル化と創造的破壊が俊敏なスタートアップの専売特許とみなされてきた理由が分かる。だが、必ずしもそうとは限らない。デジタルトランスフォーメーションの優れた事例は、エンタープライズセクターにもある。
デジタルトランスフォーメーションの例
レガシーシステムからクラウドプラットフォームへの移行は、デジタルトランスフォーメーションの例としてよく挙げられる。古いシステムをクラウドに移せば、新しいユーザーの要望に応じてアプリケーションのアップデートや変更を実施するのが容易になる。この場合、デジタルトランスフォーメーションは俊敏で柔軟なIT運用のサポートに役立つ。つまり、既存のプロセスの効率と効果を大幅に高めるということだ。
非効率な作業プロセスの変更や廃止にテクノロジーを使用することも、デジタルトランスフォーメーションの良い例だ。たとえば、紙の記録のデジタル化について考えてみよう。テクノロジーを利用して組織での情報記録の方法を変革することで、紙の記録の時代には考えられなかった方法で、あるいは少なくとも扱えなかった方法で、デジタル記録を検索してレポートを実行することが可能になる。
デジタルトランスフォーメーションではクラウドベースのプラットフォームやサービスがよく使用されるが、新興テクノロジーが採用されることもある。こうしたユースケースは、メタバースが研究段階を終えて実用化されるにつれて、耳にすることが増えていくだろう。調査会社のGlobalDataによると、メタバースをめぐる誇大宣伝が過熱しており、提出書類で「メタバース」に言及した企業が2022年第1四半期に40%増加したほどだという。
すでにいくつかの進展がみられる。たとえば一部の小売企業は、顧客が仮想現実(VR)アプリを使用して自宅から快適に自社の家具を視覚化できるようにしている。このケースでは、小売店での従来の物理的なやりとりが、デジタル化によってバーチャルな関係に変わり、顧客は離れた場所から商品を試して購入することができる。