アバイアが取り組む「メタバース向けコンタクトセンター」
今回は「アバイアが取り組む「メタバース向けコンタクトセンター」」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
通信のハードウェアやソフトウェアを提供している企業であるAvayaは、先頃ドバイで開催された「GITEX Global」カンファレンスで、同社の技術をメタバースに統合した製品を展示した。最近のGITEXは、CESに匹敵する来場者数を誇る、世界でも指折りの技術カンファレンスになっている。
Avayaは、このイベントで長年にわたって大きな存在感を示しており、顧客のユースケースを紹介することで、同社の技術やイノベーションを効果的にアピールしてきた。
メタバースはまだ始まったばかりであり、現実の利用事例は多くない。実際、筆者が話をしている企業のIT担当役員のほとんどは、この未来的な技術に対して関心は持っているものの、この技術をどのように活用し、現実のビジネスユースケースに落とし込めばいいかについての確信は持っていないようだ。
Avayaのドバイチームは、パートナー企業であるAvanza Solutionsと協力して、GITEXのAvayaブースで同社の成果を展示した。Avanzaは、ペルシャ湾岸地域でデジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションを提供している大手企業だ。
この共同ソリューションは、ドバイが掲げている、世界を代表するメタバース都市を目指すというビジョンを支えるものだ。ドバイは、メタバース環境を利用して、現在も好調なアラブ首長国連邦(UAE)の経済をさらに上向かせようとしており、今後十年間で数万人規模のメタバース関連の雇用を創出するとしている。
現在、企業がドバイに進出して事業を行うには、許可の取得や就労ビザの申請などの数多くの手続きを行う必要がある。しかしこのソリューションを利用すれば、いちいち行政機関やオフィスビルに出向いてそうした手続きを行わなくとも(筆者が目にしたドバイの交通状況を考えれば、それだけで何時間もかかる可能性がある)、すべての作業をメタバース内で行うことができる。一部の手続きはウェブでも行えるが、各機関がそれぞれ個別にウェブサイトを持っているため、作業が煩雑になる可能性がある。
このソリューションのインターフェースでは、不動産まで選べるようになっており、ユーザーは、仮想的に作られた建物に入ったり、オフィスを設計したり、ドバイのさまざまな景色を体験したりできる。 このドバイのメタバースは、ビジネスを始めるために必要なあらゆるものを、物理的・仮想的に1カ所にまとめている。
問題に遭遇した顧客は、メタバースのインターフェースとAvayaの「OneCloud CCaaS(Contact Center-as-a-Service)」を通じて、コンタクトセンターの担当者と連絡を取ることができる。その際顧客は、メタバースの中で仮想エージェントとやりとりしたり、人間の担当者と電話で話したりでき、Metaの「WhatsApp」などのソーシャルメディアアプリを使って連絡を取ることさえできる。
Avayaにとって、メタバースを同社のコンタクトセンター事業に取り込むことは複雑な作業ではなかった。筆者はGITEXで、Avaya InternationalのプレジデントであるNidal Abou-Ltaif氏にこの件について尋ねた。同氏は、「私たちは単純に、メタバースをもう1つのチャネルとして捉えている。Avaya OneCloud CCaaSは完全にクラウドネイティブでオープンな設計になっており、顧客とのやりとりをするためのチャネルの追加は、何かを『破壊』(disruption)することなく、素早くできるようになっている」と語った。