「M4」搭載「MacBook Air」レビュー–決して「退屈なアップデート」ではない

今回は「「M4」搭載「MacBook Air」レビュー–決して「退屈なアップデート」ではない」についてご紹介します。

関連ワード (クライアント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Appleが「M4」チップ搭載「MacBook Air」(M4 MacBook Air)を3月に発表した。このウルトラポータブルノートPCについては、新機能に関するさまざまなうわさが飛び交っていた。

 これがAppleの主要デバイスでM4チップを採用する最後の製品だったことや、われわれがテストしたノートPCの中で2024年の「M3」チップ搭載MacBook Air(M3 MacBook Air)が最高のものの1つだった(今でもそうだ)ことが、その理由だろう。M3 MacBook Airは、未来を見据えた「大衆向けAIコンピューター」であり、Appleのデザインの最高到達点とみなすことも可能だ。

 しかし、MacBook Airの更新をやめるわけにはいかないので、M4 MacBook Airが漸進的なアップグレードとなることは明らかだった。つまり、M3 MacBook Airの長所がさらに強化され、消費者にとってのコストパフォーマンスも少し改善されるということだ。

 例えば、M4 MacBook Airの価格は999ドル(16万4800円)からとなっており(16GBのメモリーを搭載する13インチモデルを選択した場合)、2024年のM3モデルよりも100ドル安く(訳注:日本では据え置き)なっている。さらに、ローエンドとハイエンドの両方でハードウェアが強化されており、最もローエンドの構成でも10コアのCPUと8コアのGPUが搭載されている。

 一方、ハイエンド構成では、32GBのユニファイドメモリーが選択可能(M3 MacBook Airでは、最大で24GBまでだった)となっている。基本コンポーネントの強化と開始価格の値下げを組み合わせることで、AppleはM4 MacBook Airを戦略的に位置付けている。ますます競争が激化する市場で、M4 MacBook Airを購入する動機を作り出して、競争力を維持することが狙いだ。

 M4 MacBook Airは素晴らしいデバイスだが、MacBook Airシリーズの自然な進歩でもあるため、これを「退屈な」アップデートとみなす人もいるかもしれない。それを肯定的に捉える人もいれば、否定的に捉える人もいるだろう。壊れていないものを直すことはできないが、MacBook Airには、もっと大胆なデザインを選択できる余地が幾つかあると思う。

 明白な例の1つは、M4 MacBook Airの新色である「スカイブルー」だ。これは非常に控えめな青色である。筆者はMicrosoftの「Surface Laptop」にもう少し近い色を期待していたので、とても慎重な色の選択だと感じた。とはいえ、M4 MacBook Airを際立たせる特徴が幾つかあることも確かだ。詳しく見ていこう。

 M4 MacBook Airで特に期待されていた人気機能の1つが、本体を開いた状態で最大2台の外部ディスプレーに出力できる機能だ。3台のディスプレーを同時に使えるこの機能だけでも、仕事や生産作業、クリエーティブなタスクに新たな可能性が開かれ、M4 MacBook Airの競争力が高まるだろう。

 本体のディスプレーも相変わらず美しい。Appleの「Liquid Retina」テクノロジーのおかげで、テキストは鮮明かつ明瞭で、動画は滑らかかつ鮮やかに表示される。さらに、このディスプレーは10億色に対応する。最大輝度は500ニトなので、「MacBook Pro」のディスプレーほど明るくはないが、それでもほとんどの用途に十分な明るさだ。

 ただし、M4チップ搭載MacBook Pro(M4 MacBook Pro)で提供されている「Nano-textureガラス」へのアップグレードオプションが、M4 MacBook Airでは利用できないことに少し驚いた。私たちが少し過剰な期待をするようになってしまったのかもしれないが、M4 MacBook Airのディスプレーは映り込みが目立つため、さまざまなアップグレードの選択肢がある中で、Nano-textureガラスがなぜ採用されなかったのか疑問に思わざるを得ない。

 ディスプレーで気に入らないもう1つの点は、カメラ用のノッチだ。レンズが配置されている部分に黒い切り欠きがあり、貴重な画面スペースの一部が無駄になっている。ツールバーをオンにしたままにしておけばノッチに慣れることができるが、アプリを全画面で表示すると間違いなく目立つ。

 生産性と言えば、M4 MacBook Airの利点は複数のディスプレーだけではない。まず、M4 MacBook Airでビデオ会議をするのは楽しい。ウェブカメラのハードウェアが、2024年モデルの1080pの「FaceTime」カメラから、Appleの新しい「センターフレーム」機能を備えた1200万画素カメラにアップグレードされたからだ。

 センターフレームは、2024年秋に発表されたMacBook Proと「iMac」で初めて登場した。これは、M4 MacBook Airを既存のMacBook Proに少し近づける多くの機能の1つである。ご存じない方のために説明しておくと、センターフレームは、デバイスの位置に関係なく、ユーザーがフレーム内で中心に映るように調整する機能だ。ユーザーが最小限の入力をするだけで、ビデオ通話の視覚的な調整を処理してくれる。

 これは独立した機能というよりも、ウェブカメラ技術の必然的な未来であるように筆者には思える。これこそがウェブカメラのあるべき姿だ。Appleのイノベーションは、視覚的に美しく洗練された体験をMacBook AirのLiquid Retinaディスプレーで提供する。この体験は、仕事でも、Wi-Fi経由での個人的なFaceTime通話でも同じように楽しむことができる。

 最高級のハードウェア、シームレスで効果的に統合された製品、そして、生活の質を高める機能群の相乗効果で、Macでのビデオ通話体験は全体的に向上している。

 筆者が普段使用するのは「Windows」デバイスだが、Macも長年使っている。MacBook Airが「Launchpad」、画面分割、「Siri」との直接的なやりとりを組み合わせて、マルチタスクを極めて簡単に処理できることを忘れてしまっていた。さらに、ウィンドウのタイル表示の改善は、デスクトップを特定の方法で配置したいユーザーを大いに満足させるはずだ。

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