セールスフォース、「Genie」で狙うリアルタイムな顧客体験

今回は「セールスフォース、「Genie」で狙うリアルタイムな顧客体験」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Salesforceは、9月に開催した「Dreamforce」カンファレンスで「Salesforce Genie」を発表した。同社はこれを「世界初のリアルタイムCRM(顧客関係管理)を支えるデータプラットフォーム」と位置付け、今後これを各種サービスに展開していくという。その概要や展開などをセールスフォース・ジャパンの担当者に尋ねた。なお同社によれば、日本市場ではGenieの名称を「Salesforce CDP」として展開する予定だという。

 Genieは、米国サンフランシスコで3年ぶりにリアル開催されたDreamforceイベントの目玉の発表だった。ただ、新製品というわけではなく、イベントで発表された同社のサステナビリティー(持続可能性)や地球環境保護への取り組み、Slackの使い勝手を向上する幾多の新機能などに比べて地味に映ったようで、それでも同社は、Genieが今後のCRMにおいて重要な技術になると考えているようだ。

 セールスフォース・ジャパン マーケティング本部 プロダクトマネジメント&プロダクトマーケティング シニアディレクターの松尾吏氏によると、Genie自体は具体的な製品やサービスではなく、CRMのリアルタイム性を高めるための技術およびコンセプトになる。Salesforceは、多種多様なデータから顧客を深く理解して最適な関係性を構築したり体験を提供したりする「Customer 360」を掲げるが、GenieはCustomer 360にリアルタイム性を加えるものとする。

 同社は、IDCの予測を引用して2026年に世界で約1260億台のデバイスが利用され、そこから生成されるデータ量が現在の2倍になるとする。そのような状況のデータをリアルタイムに使用可能にするのがGenieだという。

 松尾氏は、「従来型のトランザクションのデータベースでは、多様なソースからのデータソースをリアルタイムに利用することが非常に難しい」と指摘する。Genieは、膨大なデータを蓄積するデータレイクあるいはデータウェアハウス(同社は報道発表で「レイクハウス」と表現)の特徴を持ち、MuleSoftのAPIコネクターなどを利用して多様なソースからのデータを取り込む。

 2020年のDreamforceで同社は、各種アプリケーションをAmazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud Platform(GCP)、MicrosoftのAzureなどで利用するためのIaaSになる「Salesforce Hyperforce」を発表し、現時点ではAWSでこれを使用できる。また、自動化機能の「Salesforce Flow」や人工知能(AI)の「Salesforce Einstein」も展開する。

 Genieで目指すとするリアルタイムCRMは、HyperforceをベースにGenieおよびその他のデータベースがあり、それらからEinsteinが「顧客」に関する予測や洞察といったものをユーザーに提供し、これをトリガーとして「顧客」に対するアクションなどFlowで実行することで可能になるイメージだ。GenieはCustomer 360の構成要素になるので、Flowなどで実行するアクションは、「顧客」ごとに最適化(パーソナライズ化)されたものになるという。

 リアルタイムCRMで具体的に何ができるのかというシナリオはこれからだが、例えば、自動車の顧客がメーカーのサポートに電話で連絡をしたとする。Genieでは、ドライバーからの連絡をトリガーとして、Customer 360に蓄積されている車両情報や位置情報、点検履歴といった各種データを基にEinsteinが問い合わせ内容を予測し、Flowで事前設定された業務フローに従ってサポートセンター担当者へ自動的に通知される。担当者は、顧客に身元や車両、問い合わせ内容などをヒアリングして関連情報をわざわざ確認しなくても、問い合わせにすぐ的確に対応できるといったイメージになるようだ。

 なお、松尾氏によれば、Genieはリアルタイム性を高めることによって顧客(=人)の体験を向上させることが目的になる。IoTといったモノに関するデータは、顧客体験の観点で活用することになるとしている。

 今回のDreamforceでは、FordやL’OrealらがGenieへのエンドースメントを表明。Fordでは、顧客に送信するメールのテンプレートを99%削減できることを見込んでいるという。

 現時点では、Snowflakeのデータ基盤とGenieを直接連携させることができ、AIではAWSの「SageMaker」でユーザーが開発したカスタムのアルゴリズムをEinsteinとともに使用可能とする。広告データではGoogle、Meta(旧Facebook)、Amazonと連携し、Salesforceの「AppExchange」パートナーもGenie対応アプリの開発をスタートしている。今後は、Salesforceのセールスやマーケティング、コーマスなどの各種サービスに組み込まれる形で順次提供される見込みだ。

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