東大らがOSSベースの5G中核技術を国産化・低コスト化–ローカル5Gに活用も
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東京大学とインターネットイニシアティブ(IIJ)、APRESIA Systems、富士通は11月24日、5G携帯電話網の中核技術「5Gコアネットワーク」(5GC)の国産化と低コスト化に成功したと発表した。各種産業分野でのローカル5G(自営型5G)の活用促進などが期待されるという。
今回の技術は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先導研究(委託)」の「Local5G/6Gモバイルシステムのオープンソースソフトウェア開発」として、2021年10月から進められていたもの。IIJとAPRESIA、富士通が5GCのオープンソースソフトウェア(OSS)「free5GC」をベースに、商用レベルの機能や性能・安定性を備えた「実用版」として実装した。東京大学は、この事業で開発した5GCに同大の既存の知的財産を組み合わせ、データ転送や経路選択を担うUPF(User Plane Function)を高度化して、新たな特許として出願している。
開発した5GCは、数千万回線を有する大手通信事業の5Gサービス(パブリック5G)に用いる5GCとは異なり、数回線~数千回線を効率的に管理できるようにしている。OSSを活用して開発したことで知的財産のコスト負担を軽くし、汎用機器で動作するソフトウェアとして実装されるため、ローカル5Gなどの小規模な5Gシステムを多数構築するような環境に適しているとする。
これにより、従来のローカル5Gシステムよりもコストを下げて導入がしやすくなるほか、複数のローカル5Gとパブリック5Gを組み合わせることで、単独のローカル5Gでは実現できない広範囲な通信環境も実現できるという。
低廉なコストで導入が可能になり、各種産業分野におけるローカル5Gの普及につながることが期待されている。複数のローカル5Gとパブリック5Gを組み合わせた、単独のローカル5Gでは実現できない広範囲な通信環境も実現できるとする。
APRESIAと富士通は、今回の5GCを5G基地局や端末設備として組み合わせた「ローカル5Gシステム」として継続的に更新版をリリースしていく予定。IIJは、今回の5GCを用いた複数のローカル5G網と同社が仮想移動体通信事業者として提供するパブリック5G網をローミングで利用できる通信サービスを開発していく。東京大学は、大学発ベンチャー企業の一体型ローカル5Gシステムに今回の開発成果を供給することにしている。