パナソニックHD、インドで電動車両向けのIT運用支援システムの実証事業に着手
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パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は、インドで電動車両(Eモビリティー)の製造・運営事業を行うETO Motors Private Limited(ETO Motors)と共に、出発地から最寄り駅までの区間(ファーストマイル)や最寄り駅から目的地までの区間(ラストマイル)交通向けのEモビリティーに対するIT運用支援システムの実証事業に着手した。同HDが12月26日に発表した。
この実証事業は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業」に基づくもの。NEDOがインドのデリー準州政府交通局とラストマイル交通における乗客の利便性と輸送効率の向上を目的とした「Eモビリティー向けのIT運用支援システム」の実証事業の実施に合意し、12月に協力合意書を取り交わした。
インドでは主に都市部での交通渋滞による大気汚染が社会問題とされていることから、Eモビリティーの普及やメトロ交通網の拡張が進んでいる。さらに公共交通の利用促進のため、ファーストマイル/ラストマイルの交通整備が重視されているという。しかし、現状では自家用自動車やタクシー、ライドシェアサービスなどで乗車地点から目的地へ移動する割合が高く、課題解消に至っていない。
パナソニックHDは、現地協力企業のETO Motorsとプロジェクト合意書を締結。実証では、出発地/目的地とメトロ交通の「カルカジ・マンディール駅」との間をつなぐファーストマイル/ラストマイル交通向けのEモビリティーを対象に同システムを導入し、輸送効率の高いメトロ交通と環境負荷の低いEモビリティーの相互利用者を増加させるという。これにより、交通量増加による渋滞や大気汚染の改善、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目指す。
導入するEモビリティー向けのIT運用支援システムは、オンデマンド運行管理、配車アルゴリズム、バッテリーマネジメントの機能を持つクラウドシステムで、Eモビリティー用充電器利用の認証・情報や、Eモビリティーの車両・運行情報をモバイル通信でクラウド上に取り込み、オペレーター(車両運用事業者)、ドライバー、乗客に向けた3つのアプリを通してサービスを提供する。
「オペレーターアプリ」では、車両管理・運用、バッテリー管理の機能を提供。「ドライバーアプリ」では、需給マッピングや高精度バッテリー表示、キャッシュレス決済を提供する。また「乗客アプリ」では、空き車両情報確認や乗車予約、キャッシュレス決済の機能を提供するとしている。
同システムを活用し、3つのアプリを導入したEモビリティーの運用を通して、同アプリ導入前後における乗客数の増加や運行効率の向上、運行コスト削減などのモニタリングによる検証を行う。検証結果をもとに運用の最適化を行うことで、ラストマイル交通における乗客の利便性と輸送効率の向上、さらにはドライバーの収益増加を図るという。
また、この実証事業は、デリー準州政府交通局の傘下デリーメトロ(Delhi Metro Rail Corporation:DMRC)がETO Mortosに対し、デリーメトロ駅周辺のEモビリティー向け交通ハブステーションの場所貸与やデリーメトロ交通利用客のEモビリティー利用誘導などの協力を行うとしている。