運用はどこが面白いのか、IBMの冠がなくなった影響は–キンドリルジャパン社長に聞いてみた
今回は「運用はどこが面白いのか、IBMの冠がなくなった影響は–キンドリルジャパン社長に聞いてみた」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
IBMからITインフラの運用を中心としたマネージドサービスを引き継ぐ形で分社して1年余りが経過したKyndryl(キンドリル)。その日本法人であるキンドリルジャパン 代表取締役社長の上坂貴志氏に取材する機会を得たので、「運用はどこが面白いのか」「システムインテグレーター(SIer)と競合しないか」「IBMの冠がなくなって社員のモチベーションへの影響はどうか」と率直に聞いてみた。
「IBMからのお客さまはしっかりと引き継いでいる。さらに、サービスをオープンに提供できるようになったので、パートナーエコシステムが広がるとともに、これまで接する機会がなかった分野のお客さまともお話しできるようになってきている」(写真1)
2021年9月に事業を開始して以来、これまでのキンドリルジャパンの活動について手応えを聞いたところ、上坂氏はこう答えた。まずは新会社として順調に船出したようだ。
経営トップへのインタビュー取材というと、市況の見方から事業戦略、差別化ポイント、今後の展開といった点がオーソドックスな質問だが、キンドリルジャパンでは2022年11月30日に事業戦略、2023年1月11日にサービス展開についての記者説明会を開いているので、それらの内容についてはそれぞれの記事を参照していただくとして、本稿では筆者がキンドリルだからこそ聞きたいと思ったことを3つ、上坂氏へ率直に投げかけて答えてもらった。
1つ目は、運用はどこが面白いのか。運用はシステムを安定稼働させ続ける重要な仕事だが、一方でシステムの「お守り」役といった地味なイメージがある。それは会社のイメージにも直結するので、世の中での認知度や人材の獲得にも大きく影響する。従って、キンドリルとしても今後は運用の面白さを訴えていく必要があるのではないか。そう思って聞いてみると、上坂氏は次のように答えた。
「地味というか、地道な仕事であることは間違いない。私たちの仕事は『社会成長の生命線』だと会社のパーパスにも掲げているが、その確固たる責任とお客さまからの信頼が礎になっている。まずはこの点を強調しておきたい」
「その上で申し上げたいのは、運用の世界はこれからどんどん面白くなっていくということだ。なぜか。ITインフラはかつてのようにオンプレミスだけでなく多様なクラウド形態が使われるようになり、さらにはメタバースに代表される仮想空間の世界もこれから広がっていこうとしている中で、これらをどのように運用していけばよいのか。その点が大いに注目され、運用が最先端のクリエイティブな仕事としてスポットライトを浴びる時代がいよいよやってくると考えているからだ」
さらに、テクノロジーの観点からこう付け加えた。
「そうした中で、運用はこれからさらに効率化を図り、自動化を目指すとともに、多様な利用環境を柔軟に連携させていくためのテクノロジーがどんどん進化していくだろう。その中では、仮想空間そのものを活用するアイデアも生まれてくるはずだ。既に、メタバースを運用にどのように活用できるかという研究も始めている。すなわち、運用の在り方が変わっていくと。キンドリルはそうした今後の動きに向けて、幅広い利用環境を対象としたオープンなビジネスを進めていけるポジションに立っている」