NEC、ERPシステムを「SAP S/4HANA Cloud」に移行へ–生成AIでプロセス自動化
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NECはSAPの「RISE with SAP」を採用し、アマゾン ウェブ サービス(AWS)上で稼働するクラウド統合基幹業務(ERP)システム「SAP S/4HANA Cloud」に移行する。SAPジャパンとNECが発表した。新たなERPシステムは、2025年5月の稼働開始を予定している。今回のクラウド移行は、アビームコンサルティンが支援する。
このクラウド移行は、社内、顧客、社会のDXを中核に据えるNECの「中期経営計画2025」の重要施策。NECは、コストの最適化とデータシステムの合理化による事業部門間の統合強化に向けて、社内DXを加速させている。
その一環として、オンプレミスの「SAP S/4HANA」からS/4HANA Cloudに移行し、ERPシステムの標準機能を最大限に活用してカスタマイズを最小限に抑える「クリーンコアアプローチ」を採用することで、将来のシステム更新と運用コストの削減を目指す。
NECは現在、1200以上のアドオンと200以上の外部インターフェースを含む大規模なシステム環境を運用している。クラウドへの移行に当たり、NECは生成AIを利用してクリーンコアの促進と運用効率の向上を図る。
今回、NECが開発した生成AI「cotomi(コトミ)」とSAPの自然言語処理用コパイロット「Joule(ジュール)」を活用することで、アドオン分析、レポート解釈、仕様書からのコード生成、テストの自動化など、重要なプロセスを自動化する。
NEC 取締役 代表執行役社長 兼 最高経営責任者(CEO)の森田隆之氏は「当社は自社を最初の顧客と位置付ける『クライアントゼロ』の考えに基づき、最先端のテクノロジーを自社で実践し、そこで得た知見やノウハウをお客さまや社会と共有している。今回のSAPとの画期的な導入の取り組みは、クラウドへの移行を目指すほかの企業にとって新たな業界の青写真となり、技術導入と社会貢献で業界をリードするというNECのコミットメントを体現するものである」とコメントしている。