統計センター、政府統計共同利用システムを「OCI」でクラウド移行
今回は「統計センター、政府統計共同利用システムを「OCI」でクラウド移行」についてご紹介します。
関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
統計センターは「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)の「Oracle Exadata Database Service」などを採用した。同センターが運用管理する「政府統計共同利用システム」で活用する。日本オラクルが3月7日に発表した。
統計データを管理するシステムはセキュリティ、柔軟性、可用性が重視される。また、クラウドサービスでのシステムの構築が検討された。OCIはこれらの要件を満たしていると判断し、2022年6月に採用を決めた。
日本オラクルのコンサルティング・サービス部門が支援する形で、OCI上に新システムの本番環境、災害復旧(DR)環境、オンプレミスのデータバックアップ環境の構築に着手し、システムとデータの移行、テスト運用を経て、約6カ月でクラウド環境へのリフト&シフトとデータ移行を完了した。なお構築・移行中も政府統計の総合窓口「e-Stat」を停止することなく、1月に新システムの稼働を始めている。
オンプレミスからクラウドへの移行検討の事前調査においては、無償のクラウド移行支援サービスである「Oracle Cloud Lift Services」が活用された。
政府統計共同利用システムは、統計結果を一元的に提供するe-Stat、インターネットを通じて統計調査の回答を行うオンラン調査システム「e-Survey」、企業・事業所向けの統計調査の基盤となる事業所母集団データベースなど15のサブシステムで構成され、各府省や地方公共団体そして国民や企業など多様なユーザーにサービスを提供している。
新システムでは、秒単位で数万件の処理を必要とする登録システムから、繁忙期には数千万件の登録処理を4時間以内に完了させるデータベース基盤など、複数の異なる高性能要件に対応できる。「Oracle Database」のコンバージドデータベースエンジンにより、多様な形式のデータが混在する15のサブシステム内で、データの管理とアプリケーション開発の複雑性を解消しているという。
OCIでは全ての格納データと通信が標準で暗号化されている。また、「Oracle Cloud Guard」によるリスクのある設定や行動の自動検知や、「Oracle Data Safe」によるデータベースの構成や監査などセキュリティ対策の自動化によって、安心して利用できるサービス提供に向けたセキュリティの向上も図っている。
新システムについては、国内リージョンでのDR構成に加え、オンプレミス環境でもデータバックアップを保管でき、クラウドやネットワークの障害が発生した際にデータを即時に利用できる環境も求められていた。また、ユーザーの継続的な利便性向上を目的に、旧システムの課題に対応する機能の見直し、応答時間などの向上も求められていた。