2022年を「日本のData Execution元年」に–プロセスマイニングのCelonis、事業戦略を説明

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 プロセスマイニングのCelonisは3月23日、2022年の国内ビジネス戦略を説明した。日本法人としては、2022年を「日本のData Execution元年」にし、データを使って業務を自動実行する世界に日本が仲間入りできるようにしたいという。

 代表取締役社長である村瀬将思氏は、国内における同社のミッションとして、「プロセスマイニングとData Executionを通じて、人々と社会のパフォーマンスを無限大に開放し、 日本企業の競争力強化と持続可能な社会形成に貢献」を挙げた。

 このミッションに基づいたビジョンとして、「日本企業・社会において、データを活用した『カイゼンを越えるビジネスモデルの変革』を推進する為に『新しいビジネスオペレーション』を定義する」「これにより、人にしかできない付加価値のある仕事へのシフトを促進し、人々の働き方、生き方を変え、『一人一人の人生価値の最大化』を図る」「その実現のため、自社のみならずお客様、パートナーを巻き込んだエコシステムを作り上げ、共にこの『奇跡的なほどやりがいのある仕事』を完遂する」ことを実行するという。

 このミッションとビジョンの達成に向け、「Business Focus」「ESG」「Connect」「Business Enable」という4つの戦略を設定している。

 Business Focusでは、「Forbes Global 2000」として選ばれた日本企業215社のうち通信・サービスプロバイダー、製造、金融業界に属する企業に注力する。ITを専門とするサービスプロバイダーによる実践とCenter of Excellence(CoE)設置の後、製造や金融に攻めていくという。

 そのためには、「我々がやろうとしようとしているのは変革なので、テクノロジーの話だけではない。仲間が必要なので、Connectする」(村瀬氏)

 Connectとしては、大手企業経営層を対象とした招待制の情報交換会「Celonis CXO Club」を1月に開催している。多くのCxOが「ポストコロナに向けた新しいビジネスオペレーション」をデジタルで定義しようとしているが、「2025年の崖」が難関と考えており、「秘伝のタレ」で熟成された現行業務を支える既存基幹システムをいかに効果的に可視化するかといった課題が明らかになったという。それに対して、Celonisユーザ企業による実績も共有されと村瀬氏。第2回は4月に開催が予定されている。

 Celonisを実際に利用している現場に向けては、ユーザーグループ「CeloUG」が設立されている。Celonisユーザ企業のさらなる成功と発展に向け、ユーザー企業間の学びや交流を促進する。第1回の会合が4月に予定されている。

 フラッグシップイベントである「Celonis World Tour」は、各リージョンにフォーカスしたイベントとして事例やコンテンツが用意され、2022年は世界13都市で開催される。日本での開催は、6月にオンサイトとオンラインのハイブリッド形式で予定されている。年次イベント「Celosphere」も開催予定となっている。

 パートナーシップやエコシステムも重要であることから、Business Enableとして、グローバルや国内の戦略的パートナーシップを強化。NTTデータとシステムサポートがパートナーとして新たに加わる。Celonisコンサルタントを育成し、資格者数を現在400人から1000人にすることを目指す。「Japan Local Ecosystem Day(JLED)」も半期で開催する。

 Celonis日本法人自体での人員倍増も計画されている。カルチャーの醸成に努めており、社員全員参加の「Workshop」によってミッションやビジョンを定義している。顧客企業による価値の創出を目的として、ポストセールスを担当するCustomer Value Groupを設置し、Customer Value ManagerやCustomer Value Architectを既存顧客に対して配属するという。

 先週発表された「CeloCoE」は、グローバルベースのプロセスマイニング、Data Execution、価値創造のチャンピオンリーグ。Celonisを使って1000万ユーロ以上のビジネス価値を実現、10を超えるプロセスをデプロイ、100人を超えるアクティブなユーザーなどの条件を満たした約40社のCoEがグローバルで認定を受けている。4月にミュンヘンとニューヨークでワークショップを開催するが、村瀬氏は、認定を受けられるCoEを日本からも出したいとの考えを述べた。

 上智大学では「Celonis Academy Program」を2019年から正式な講座としており、これまで30人が受講。その中の優秀者からCelonisにインターンシップとして採用もしているという。

 環境・社会・ガバナンス(ESG)については、例えば、調達や需要予測などのプロセスを最適化することで、食品ロスを防ぐことが可能になると村瀬氏。また、スイスのABBでは、製品出荷時に二酸化炭素排出量を統合基幹業務システム(ERP)のデータと二酸化炭素レートデータからを評価し、必ずしも飛行機便を使用するのではなく、二酸化炭素排出のより少ない出荷方法を選択できるようなオペレーションを実現しているという。

 ESG観点のハッカソンがグローバルでは開催されているが、国内でも開始したいと村瀬氏は述べる。「パートナーやユーザー企業に参加してもらい、地球にやさしいサステナブルなアプリケーションを作ってもらいたい」(同氏)

 村瀬氏は、実質労働生産性は3年連続で減少し、世界経済3位でありながら幸福度指数が世界40位という日本の現状について触れ、データをベースにすることで「日本を元気にしたい」と抱負を述べた。
Celonisを使ったデモ

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