デジタルヒューマンを活用した接客の共同実験–NTT Com、東映、NTT QONOQ
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NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、東映、NTT QONOQの3社は、デジタルヒューマンを活用し、接客やコミュニケーションを行う実証実験を開始した。
同実証では、リアリティのあるデジタルヒューマン「CONN(コン)」を活用し、NTT Comのワークプレイス「OPEN HUB Park」で接客やコミュニケーションを行う。CONNが「デジタルカタリスト」としてOPEN HUB Park内の複数のデバイスに登場し、来訪者の対応をすることで、顧客接点としてのデジタルヒューマンの可能性を検証していく。
各社の役割は、NTT Comが実証実験場(OPEN HUB Park)の提供および評価シナリオ検討、アーキテクチャー検討、インフラ構築、品質管理を担い、東映はデジタルカタリストの監修、制作、システム構築を担当する。NTT QONOQはソフトウェア開発および実証実験内容の検討、ビジネス展開に向けた検討を行う。
「OPEN HUB」は、NTT Comが、顧客やパートナーと新しい事業コンセプトを「共創」し、社会実装するために2021年10月に開始した事業プログラム。OPEN HUBでは、共創を行う社内外の専門家を「カタリスト」と呼び、2月現在、約400人が在籍している。その中でデジタルカタリストはデジタルヒューマンのカタリストとなる。
CONNは、東映ツークン研究所のもつデジタルヒューマン技術で生成されたビジュアルとNTT人間情報研究所がもつモーションや音声を生成する技術により表現されたパーソナリティー(ふるまいや音声)を掛け合わせることにより生み出された。
CONNのビジュアルは、実在のカタリスト9名の顔を、東映ツークン研究所の最新版の「LightStage」でスキャンし、CGによりリアルな人間(デジタルヒューマン)を生成する技術を活用して生成した。LightStageは、人間の顔のスキャンシステムで、天球状に設置された多数の照明をコントロールしながら撮影することで、形状だけでなく、質感までも高精細に再現することができる。
パーソナリティーについては、実在するカタリストのモーションキャプチャーデータと音声データをNTTグループが開発するAIエンジンに学習させ、カタリストのふるまいと声の特徴を再現した。
さらにNTT Comが開発した独自ソフトウェアを活用し、生成したビジュアルデータとパーソナリティーデータの特徴点を組み合わせ、学習済みのプログラムをもとに、モーション生成/音声生成を行うことで、CONNの3DCG化を実現した。3DCGのCONNは、ARグラスや7つのLEDモニター、等身大のモニター上など複数のデバイス間をシームレスに移動しながら、さまざまなコンテンツを提供する。
OPEN HUB Parkでは、CONN自らが思考しているかのように、表情やふるまい、声のトーンなどを顧客との対話の中で柔軟に変化させ、自然なコミュニケーションをしながらOPEN HUB Park内の各ゾーンを案内する。
レセプションゾーンでは7つのLEDモニターとARグラス上でCONNがOPEN HUB Parkのコンセプトを紹介する。またプレゼンゾーンでは、等身大のモニターにCONNが登場し、巨大LEDモニター上に表示される映像コンテンツを説明するとともに、顧客とインタラクティブな会話を楽しめる簡単な質疑応答も実施する。
今後3社は、今回の実証実験を通じて得られた知見をもとに、自社内でのデジタルヒューマンの活用を検討するとともに、イベントやショールームでのアテンダント、企業の受付、アパレル店舗の店員など幅広い業種・業界へ、デジタルヒューマンを活用したソリューションの提供をめざす。