ウイングアーク1st、「物流の2024年問題」で商工中金などと連携–運輸業向け支援基盤を提供
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ウイングアーク1stは4月13日、運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)、商工組合中央金庫(商工中金)、サスティナビリティ・DX推進協議会(SDXC)と共に、運輸事業者向け中小企業支援基盤「BanSo(バンソウ)」の提供を発表した。ウイングアーク1st 代表取締役 社長執行役員CEOの田中潤氏は、「運輸事業者の成長を支援したい」と意気込みを語った。
TDBC 代表理事の小島薫氏によると、中小運輸事業者の99%は「時間やコストなど同じ課題を抱えている」という。貨物にとどまらずタクシーやダンプ・トラック、バスなど4種の事業社への支援を目的に2016年8月に設立されたのがTDBCである。現在は各事業者にとどまらず、技術や解決法を所有する企業・団体を含めた173社が会員として登録済み。「事故撲滅と実現のための乗務員教育」「健康経営の推進と健康課題解決」「MaaSへの取り組み」といったワーキンググループを設置し、年1回開催する「TDBC Forum」で活動や成果を発表。さらに2022年1月には動態管理基盤を担う法人企業traevoの設立や、同年3月には支援組織としてSDXCを設立している。
ウイングアーク1st、TDBC、商工中金、SDXCの4社連携は一連の課題を解決するソリューションである。商工中金が開催したセミナーにTDBCが出席したことをきっかけに、今回の座組みが成立した。正確には枠組みが完成した時点で基盤を提供するIT企業を欲したところ、ウィングアーク1stに白羽の矢を立った形である。TDBCは課題解決とデジタル変革(DX)実践、SDXCは中小企業診断士による事業・経営支援、商工中金は中小運輸事業者への伴走支援、そしてウィングアーク1stが既存ソリューションを組み合わせたBanSoを提供する。
中小運輸事業者は賃金やドライバー不足、2024年問題など多数の課題を抱えつつ、「多重下請け構造もさることながら、売り上げ10億円未満の企業による価格転嫁が難しい状況にある」(商工中金 常務執行役員 山田真也氏)。さらに「経営者はモノを運ぶだけではなく、戦略とDX推進、資金調達など実効性のある事業計画を用意しなければ、荷主と対等に戦えない」と警鐘を鳴らす。一連の問題を解決するのが今回の4社連携であると説明した。
SDXC 代表理事の藤田祐介氏によると、同団体は約9割の中小運輸事業者が実効性のある事業計画を立てられていない現状を踏まえて、経済産業省や中小企業庁などが提示する内容をもとに「(品質マネジメントシステムの)『ISO9001:2015』などを加えた事業計画書策定モデルを提供する」といい、「トップが経営DXを体感し、推進していただきたい」とコメントした。
ウイングアーク1stが提供するBanSoは業務自動化コミュニケーションツール「DEJIREN(デジレン)」やデータ分析基盤「Dr.Sum」をベースにデータ構築と可視化、外部団体とのコミュニケーションを実現するSaaS基盤。「『Excel』ファイルのアップロードでデータを入力し、(BIダッシュボードの)『Motion Board』の可視化機能で自社の状況をリアルタイムに把握できる」(田中氏)。データとして提示する「ランク」は同業他社と自社を比較し、次に強化すべきポイントを一目で確認できる。閲覧はPCに限らずスマートフォンからも可能だ。BanSoは3~5年の運用を想定しており、初期費用は10万円、月額3万円から利用できる。