富士通、デジタルツイン上に人の行動を高精度に再現–英国ワイト島で実証開始
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富士通は、人々の行動を高精度にデジタルツイン上に再現することで、人々の行動の変化を予測し、施策の効果や影響を事前に検証可能とするデジタルリハーサル技術を開発した。
英国でシェアードモビリティ事業を展開するBerylの協力の下、英国ワイト島にて同技術を適用した実証実験を開始し、「シェアードeスクーターサービス」の運用を改善する施策の導出を目指すという。なお同実証は、富士通がLead Technical Partnerとして参画する英国のNational Digital Twin Programmeにおいて、英国ビジネス・通商省と協力して実施している広範な取り組みの一環だという。
デジタルリハーサル技術は、AIによるビッグデータ分析と行動経済学の知見を融合し、状況に応じて変化する人々の行動を高精度に再現することで、施策による人々の行動の変化を予測し、施策の効果や影響を事前に検証可能にする。
行動経済学によると、人は事象が発生する確率の高低を過小評価する一方、損失を過大評価し回避する傾向があるという。こうした非合理的な行動特性に加え、天候などの間接的な要因が個人の選択に及ぼす影響の特徴をさまざまな属性データや天候データを用いてAIに学習させ、人の行動選択モデルを開発した。
このモデルをデジタルツインと融合させることで、例えばイベントにおける周辺交通機関を利用する人の動線や、事故発生などによる交通状況に応じた人の行動の変化に伴う影響を、人の心理も踏まえた上で高精度に事前検証できるという。
実証実験では、ワイト島におけるエリアごとの人口などの統計データや天気などのオープンデータ、ワイト島内の特定エリア間を移動した人数や時間帯といった人流データ、Berylから提供されたeスクーターの移動データを用いて行動選択モデルを生成し、デジタルリハーサル技術を用いた実証システムを構築する。
このシステムを活用し、地域住民をはじめとする人々の移動する時間帯や場所、ルートなどを予測しつつ、ワイト島内におけるeスクーターの配備場所や数の変更、特定の場所への返却による使用料の割引などの施策を検証する。この検証では、利用者の利便性向上への寄与度だけでなく、運用コスト削減や、移動手段の選択変化が二酸化炭素(CO2)排出量削減などの目標を満たしているかも確認するとしている。