「elementary OS 7」の堅実な進化–シンプルな操作性とパフォーマンスの向上
今回は「「elementary OS 7」の堅実な進化–シンプルな操作性とパフォーマンスの向上」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
遠い昔、「elementary OS」は筆者の主力の「Linux」デスクトップディストリビューションだった。しかし、初めてSystem76のデスクトップを購入したときに、elementary OSから「Pop!_OS」に乗り換えて、それ以来elementary OSに戻ることはなかった。確かに、elementary OSのデスクトップ(「Pantheon」)の優雅さやシンプルさ、シームレスな外観が恋しくなることもあるが、複数の要因から、elementary OSの再使用は検討していなかった。
問題の1つは、本格的なレコーディングハードウェアを使用したときのサウンドの信頼性が低いことだ。もちろん、それはelementary OSの問題というよりも「PulseAudio」の問題だった。残念ながら、「elementary OS 7」でも引き続きPulseAudioを使用しているようだ。これはpactl infoコマンドを実行すると確認できる。出力には次のような情報が含まれているはずだ。
もちろん、ここでは、問題のあるサウンドサーバーを使い続けているという点で、elementary OSに判定を下そうというのではない。同OSが新規ユーザーに提供する機能を紹介したいと思う。
その観点から見ると、elementary OSは見事なデスクトップOSであり、スキルレベルを問わず誰にでも使うことができる。
ただし、いくつか問題がある。その原因は、7.xシリーズの最初のリリースであることに起因するとみていいだろう。これについては近いうちに取り上げるつもりだ。
だが、まずは基本を押さえておこう。
Linuxコミュニティーにおいて好まれない比較であることは承知しているが、オープンソースの世界でelementary OSほど「macOS」に近いものはない。
基本的に、elementary OSは独自路線を行く「Ubuntu」ベースのデスクトップOSだ。市場で最も巧みに設計されたLinuxデスクトップOSの1つである。UIは他のほとんどのOSよりもユーザーフレンドリーで、信じられないほど使いやすい。操作が簡単なだけでなく、見た目の美しさも同様に高い水準にある。
macOSに先ほど言及したが、これは意図的なものだ。elementary OSのデスクトップ環境であるPantheonが、AppleのデスクトップOSの環境に非常によく似ているからだ。ドックやトップバー、デスクトップメニュー、システムトレイがある。これらすべての要素が組み合わさって、バランスの取れた使いやすいインターフェースを形成している。
幸い、elementary OSの開発者たちは、バージョン7でデスクトップに劇的な変更を加えないことを選択した。むしろ、一見しただけだと、elementary OS 7を過去のリリースと見間違えてしまうかもしれない。elementary OSをすでに愛用している人にとっては、歓迎すべきニュースだろう。同OSを一度も試したことがない人には、これから楽しいことが待っている。
簡単に説明すると、変更点はそれほど多くないが、十分にある。変更点の多くは漸進的なもので、たとえば「AppCenter」が改善され、アプリの説明がより良くなり、使用中のツールを最新バージョンにアップデートするのが簡単になった。また、「Flatpak」などの代替ソースでアプリをサイドロードしやすくなった。幸いなことに、Flatpakはプリインストールされている。唯一注意が必要なのは、FlatpakがAppCenterに統合されていないため、Flatpakでアプリをインストールするときは必ずコマンドラインで実行する必要がある点だ。
同じく大いに歓迎すべき新機能として、「GNOME Web 43」が追加された。GNOME Web 43には、ウェブアプリを作成してアプリケーションメニューに表示させる機能のサポートが含まれる。この機能を使用するには、ウェブブラウザーを開いて、ウェブアプリを作成したいサイトにアクセスし、歯車アイコンをクリックした後、「Install Site as Web Application」(サイトをウェブアプリケーションとしてインストール)をクリックする。作成が完了したら、そのウェブアプリをアプリケーションメニューから開くことができる。