富士通、NEC、NTTデータがグローバルパートナーとのアライアンスを強調する理由

今回は「富士通、NEC、NTTデータがグローバルパートナーとのアライアンスを強調する理由」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の一言もの申す等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 富士通、NEC、NTTデータがこぞって有力なグローバルパートナーとのアライアンスを強調している。日本を代表するITサービスベンダー3社がこうした姿勢を前面に押し出しているのはなぜか。そこには、ソリューションの提供形態が変化してきた背景がありそうだ。

 「今後、お客さまへの提供価値をグローバルで高めていくために戦略パートナーとのアライアンスを強化していく」

 富士通 代表取締役社長CEO(最高経営責任者)の時田隆仁氏は、同社が先頃開いた新たな中期経営計画の発表会見でこう強調した。そして、グローバルの「戦略パートナー」として、Microsoft、Amazon Web Services(AWS)、SAP、ServiceNow、Salesforceの名を挙げ、それぞれの関係について次のように説明した(写真1)。

 「Microsoftとは、国内随一のグローバルSIパートナーとして戦略的なパートナーシップを強化していく。AWSとは、強みを持つ業種での協業を皮切りにオファリング開発や人材育成で連携し、全社的な協業へと拡大していく。SAPとは、SAPが提供するERPデータや、ビジネスプロセスのクラウド移行のオファリングである『RISE with SAP』の自社(富士通内部)での実践をはじめグローバルテクノロジーパートナーとして連携し、ビジネスを拡大していく」

 「ServiceNowとは、エンタープライズトレーニングアグリーメントを締結し、ServiceNow関連スキルの修得および強化に向け、全従業員が無制限に教育を受講し、資格取得に挑戦できる制度を導入した。2023年度中に社内のServiceNow認定資格の保有数1万以上への増強を目指している。また、『Worldwide Elite Partner of the Year 2023』を受賞した。グローバルでのビジネス拡大を一層強化していく。Salesforceとは、製造やヘルスケアの領域でのソリューションの共同開発からスタートし、さらなる連携強化とビジネス拡大を図っていく」(図1)

 筆者の記憶では、富士通がこれまで中期経営計画や事業戦略について会見で説明してきた中で、経営トップがグローバルパートナーとのアライアンスについて、これだけ強調したのは初めてだ。

 富士通は日本のITサービスベンダーの代表格だけに、こうした特定企業とのアライアンスを前面に押し出すのは市場への影響が大きいのではないか。そう考えていたところ、富士通の会見の数日後、メディアの共同インタビューに応じたNEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEOの森田隆之氏も時田氏と同様に、有力なグローバルパートナーとのアライアンスについて、自社(NEC内部)で取り組むデジタルトランスフォーメーション(DX)からグローバルでのビジネス連携に向けて、次のように語っている(写真2)。

 「自社のDXについては、この5月に基幹システムを刷新した。10年ほど前にグローバルの会計システムにSAPを採用したが、当時はオンプレミスだった。その後、クラウドに移行したシステムについて、今回DX化を一層進めてデータドリブン経営を実践できるようにした。また、当社ではかつて社内に約2000のシステムが散在しており、それをモダナイズしてスリム化すべく取り組んできた。これについては、SAPと共にMicrosoftやAWSとのグローバルなアライアンスに基づき、技術面においても深い連携を図っている。こうしたアライアンスによる取り組みは、今後、お客さまに対してモダナイゼーションやDXを実践していくための実験台になると考えている。AWSやMicrosoftとは今や、グローバルでのビジネス展開だけでなく、技術的なロードマップの共有まで含めた深い関係を築いている。さらに最近では、ServiceNowとのアライアンスによって同社の技術やサービスによる社内実験も進めている」

 森田氏のこの発言については、DXとグローバルパートナーとのアライアンスについての質問に答えたものなので、富士通の時田氏とは状況が異なるが、そうした中でもSAP、Microsoft、AWS、ServiceNowといったパートナー名が挙がったのは興味深いところだ。

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