コンポーザブルアーキテクチャーはユーザーに選択肢を与える–リミニストリートのラビンCEO
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Rimini Streetは、OracleやSAPなどの企業向けソフトウェアの第三者保守サポートを提供するITサービス企業。米国ネバダ州ラスベガスで2005年に創業し、世界155カ国に5100社の顧客を抱える。従業員は世界22カ国に約3000人。2014年3月に日本市場に参入し、2023年で10年目を迎えた。日本の顧客は350社に及ぶ。来日した最高経営責任者(CEO)兼 取締役会会長のSeth Ravin氏に都内で話を聞いた。
同社は、従来のベンダーサポートの代わりに同社サービスを利用することで、ソフトウェアサポートの総経費を最大90%まで削減するとうたっている。その上で、統合基幹業務システム(ERP)の寿命延長や高額なアップグレードや移行の回避、包括的で応答性が高いソフトウェアサポート、資金やリソースの戦略的な取り組みへのシフト、アプリケーションとデータベースのセキュリティ向上など、エンタープライズソフトウェアへの投資からより多くの価値を引き出し、イノベーションに投資し、競争優位性と成長を生み出すことができるとしている。
Rimini Streetは現在、先が読めず変化の激しい時代に必要とされるIT戦略の考え方として「コンポーザブル」なアーキテクチャーを提案している。これは、旧来のモノリシック(一枚岩)なERPとは違い、素早く変化できる小さな独立したシステムを疎結合することで、先の見えない状況下でも持続的に対応力をつけていくことを目的としたものになる。
同社は、これに対応する新ソリューションとして「Rimini Connect」を2022年末に発表。ERPと周辺システムの依存性を最小限にし、企業の経営とITの優先度に基づいたコンポーザブルアーキテクチャーの構築を可能にする。
Ravin氏は「コンポーザブル」という言葉は「フレキシブル」とほぼ同義であるとの見解を示し、さまざまなベンダーの製品の中からそれぞれの分野で最良のものを組み合わせるベストオブブリードのアプローチが非常に重要なポイントになると説明した。
「Rimini Streetが提案しているアーキテクチャーは、決して既存のERPに取って代わろうというものではない。既存システムの周りにさまざまな新しい技術や機能を追加していけるようになっている。これによって、ERPのアップグレードやリプレースを回避できる」(同氏)
またRavin氏には「ERPは人、時間、金といったリソースを大量に消費する一方で、企業のバックエンドやインフラであるに過ぎない。多くの企業はそういった分野に多大な人材、時間、資金を費やしているのが現実だ。Rimini StreetのソリューションはERPのコストを大幅に削減でき、浮いた分をより重要なテクノロジーやイノベーションに投資するといった形で生きたお金の使い方ができるようになる」と話す。
「主にトランザクションを処理する基幹システムは20~30年、場合によっては40年以上使い続けることも珍しくない。企業や組織のニーズをきちんと満たせる限り、幾らでも長く使っていいとわれわれは考えている」と同氏。ソフトウェアのサポート期間の終了などでバージョンアップを迫るのは「ソフトウェアベンダーの都合」だと指摘する。
コンポーザブルあるいはフレキシブルなアーキテクチャーで最も重要なポイントは、「ユーザーに選択肢が与えられること」だとRavin氏は話す。そしてユーザー自らが考え、行動することが大事だという。「日本の企業には保守的な側面があると思うが、いつまでもそのままではいられない。いつまでも保守的なやり方では、グローバルでの競争力を失ってしまいかねないだろう」とする一方で、「現状を打破しようという企業が増え始めており、その結果としてわれわれのようなサービスの利用が伸びている」と語った。