みんなの銀行、英RevolutとBaaS事業で基本合意–金融系アプリの付加価値向上で

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 ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行は6月6日、BaaS(Banking as a Service)事業の拡大を目的に、REVOLUT TECHNOLOGIES JAPANと基本合意書を締結した。同社が提供する金融系アプリ「Revolut(レボリュート)」の付加価値向上に、みんなの銀行が寄与する形となる。みんなの銀行 取締役頭取の永吉健一氏は「ここから1年はBaaS事業の拡大に注力したい」と意気込みを語った。

 みんなの銀行は2021年5月28日に事業を開始してから2周年を迎えた。「A2A」(Account to Account:銀行口座直接引き落とし型)と呼ばれる決済サービスを提供している。従来の決済方法と違い、例えば口座振替などで銀行口座から直接引き落としが可能となるため、収納代行企業などが間に入らず、安価な手数料体系を実現できるという。

 永吉氏は「決済トランザクションのコスト負担が大きくなっている。A2A決済は口座から決済までの仕組みを提供し、コストを抑制しているのが最大の利点」だと説明する。

「決済トランザクションのコスト負担が大きくなっている。A2A決済は銀行口座から決済までの仕組みを提供し、コストを抑制しているのが最大の利点」(永吉氏)だと説明する。同氏は、A2A決済について「南米や東南アジアで広まっている。監督官庁が支援をしているのも大きい」と分析する。

 国内は電子マネーやクレジットカードによる決済手段が標準的ながらも、小規模飲食店などは決済手数料の負担を強いられるため、システムの導入や利用に消極的な姿勢を見せている。同行はA2A決済を「口座振替API」と呼び、国内でA2A決済が一気に広がるとは考えていないものの、コスト削減につながることからリアル決済やオンライン決済の代替、口座振替や資金決済の高度化につながると見込んでいる。

 他方で、みんなの銀行は2022年6月~2023年5月の1年間、消費者を対象としたBtoC事業と平行しつつ、BtoB事業に注力してきた。永吉氏はさまざまな実績を示しながらも「約60点」と厳しめの評価を下す。

 2022年だけでも、第2四半期はFAPI(Financial-grade API)に準拠したBaaSプラットフォームを開発し、第3四半期はユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスが同行のBaaSと連携する金融サービスを開発。第4四半期は三井住友海上プライマリー生命保険がAPI連携した生命保険商品を開発した。

 同行のBaaSパートナー企業は順調に増え、REVOLUT TECHNOLOGIES JAPANで6社目となる。英Revolutは2015年に発足し、世界36カ国で3000万ユーザーを超える決済系ネオバンク。国内では2020年10月から個人間送金や外貨領外、カード発行など各種サービスを開始している。

 永吉氏は今回の提携の意義について「当行はミニマルな設計のため、外貨両替や外国送金機能は備えていない。REVOLUT TECHNOLOGIES JAPANとの連携を通じて、利用者のサービス向上に努めたい」と説明した。なお、今回は基本合意にとどまり、具体的な提供サービスは今後検討していく。

 BaaS事業戦略については、「エンドユーザーを多く持つ企業をパートナーとし、われわれと一緒に成長するのが指標の一つ。また、(多くのパートナー企業も)金融と自社の事業を組み合わせることで、エンドユーザーへの付加価値を高めることを常に考えている。今後(の業務提携)もパートナー企業とわれわれ、エンドユーザーによる『三方良し』の仕組みが見えてくる」(永吉氏)と相乗効果を重視する姿勢を示した。

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