データドリブンとは、これまでのデータ経営の質を変化させること–富士通幹部に聞く

今回は「データドリブンとは、これまでのデータ経営の質を変化させること–富士通幹部に聞く」についてご紹介します。

関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 「Fujitsu Transformation(フジトラ)」として全社DXプロジェクトを進める富士通が、データドリブン経営の取り組みとして、Qlik製品を標準のビジネスインテリジェンス(BI)ツールとして展開中だ。富士通でデータドリブン経営を推進するデータアナリティクスセンター(Data Analytics Center、DAC)の池田栄次氏(ビジネスマネジメント本部データアナリティクスセンター長)に、同社のデータドリブンに向けた取り組みについて話を聞いた。

–富士通は「フジトラ」としてDXを進めています。そこでのDACの役割について教えてください。

 まずこれまでの流れを説明すると、フジトラは2020年にスタートし、データドリブン経営実現の核となる「OneFujitsuプログラム」が開始されました。OneFujitsuでは、(1)未来予測型経営、(2)オペレーショナルエクセレンス――という2つのコンセプトを掲げています。

 未来予測型経営では、データをリアルタイムに収集し、軸足を過去から未来へ切り替えることを目指します。これまでは過去のデータを中心に見ていましたが、不確実性が高い時代に過去のデータばかり見ていたのでは先を見越すことはできません。

 オペレーショナルエクセレンスは、標準化によって実現します。富士通は複数の業態があり、その中で最適化が図られてきました。これが一方でサイロ化につながっており、効率化のために今後は全ての業務を標準化することを目指しています。

 具体的には、「OneCRM」「OneERP+」として、業務領域を全部門横断で標準化する、つまりリージョンやグループを問わずに同じものを使うということです。業務が標準化されれば、データがそろいます。ですので、業務がそろわないことにはデータドリブン経営は成し得ないという考えが根底にあります。

 OneFujitsuは壮大な取り組みであり、順次進めているところです。最初に取り組んだOneCRMによって、これまででは不可能だった、全世界の商談状況の把握などが可能になっています。

 OneCRMやOneERP+などのデータを共通のデータレイクにまとめるためのデータ活用基盤を「OneData」と呼んでいます。OneDataはデータレイクのほか、QlikなどのBIツール群も含みます。

 フジトラでのデータドリブン経営の取り組みで少し実績が出てきたところで、2021年11月に発足したのがDACとなります。データドリブン経営を推進するチームとして、OneDataの基盤整備を担うITチームと密に連携しながら、構築された基盤を徹底的に使い、全社に広め、ビジネス価値を生み出すという立ち位置にあります。

–データ活用基盤を使う側と作る側のギャップはどのように埋めているのでしょうか?

 DACは使う側で、OneDataを進めるITチームとほぼ一体で推進しています。社内のさまざまな部署からやりたいことや経営課題がDACに集まります。われわれは、これらをITチームに伝えて連携をとっています。そして、IT側が実現したものをわれわれが使うという良い関係が生まれています。良好な関係を構築することは、成功の重要なポイントです。

–DACについて、ミッションやスキルセットについて改めて教えてください。

 DACのミッションは、全社のデータドリブン経営をリードすること。データドリブンのセンターオブエクセレンス(CoE)です。テクノロジーを推進するだけでは広がっていかないので、どうやって人を巻き込んでいくかも重視しています。全社への情報発信や社内イベントなども企画しています。

 現在は40人ぐらいで、さまざまな人材が集まっています。データサイエンスなどのエンジニアが多いですが、ビジネスドメインの知識も必要なため、会計や財務などの業務知識がある人やユーザーエクスペリエンス(UX)の設計に長けた人もいます。

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