パスワードマネージャの1PasswordがPasskey対応をベータ公開。Passkeyの保存と同期、ログインが可能に

今回は「パスワードマネージャの1PasswordがPasskey対応をベータ公開。Passkeyの保存と同期、ログインが可能に」についてご紹介します。

関連ワード (存在意義、発表、選択肢等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


代表的なパスワードマネージャの1つである1Passwordが、パスワードレスでログインできる業界標準のPasskeyに対応した新バージョンのベータ版を公開しました。

Windows、macOS、Linuxに対応したChrome、Firefox、Microsoft Edge、Braveの各Webブラウザ、およびmacOSのSafariの拡張機能として利用可能です。

Tired of passwords? Meet passkeys.

Available in beta, you can now save and sign in with passkeys using 1Password in the browser. Dive into what’s new, how to get started, and the reasons why you should create and store your passkeys in 1Password. https://t.co/uNGaMilqbU

— 1Password (@1Password) June 6, 2023

従来の1Passwordは主に2つの機能を提供しています。1つは、各Webサイトのアカウント作成時に強力なパスワードを自動的に作成し、WebサイトごとのIDと一緒に安全に保存する機能。もう1つは、安全に保存されたIDとパスワードを、Webサイトのログイン時に自動的に入力しログインしてくれる機能です。

その上で、複数のマシンで1Passwordを利用している場合には、自動的にマシン間でIDとパスワードを同期してくれます。

1Passwordを通じてWebサイト毎にPasskeyを作成、保存、同期

新しくPasskeyに対応したβ版の1Passwordでは、この2つの機能についてパスワードに加えてPasskeyにも対応します。

すなわち、Webサイトのアカウント作成時に、そのWebサイトがPasskeyに対応している場合には、そのWebサイトのためのPasskeyを1Passwordを通じて作成できます。

fig「Save and Sign In with Passkeys Using 1Password In the Browser | 1Password」から引用

作成されたPasskeyはパスワードと同様に1Passwordに保存され、次回ログイン時には1Passwordを通じて自動的に利用されてログインできます。

このように1PasswordのPasskey対応は、従来のパスワードの代わりにPasskeyを使う、すなわち1PasswordがPasskeyの認証器として振る舞う、という方向性で実装されています。

これは2022年6月に同社がPasskey対応を発表したときから明らかにしていたことです。

参考:パスワードマネージャのLastPassと1Passwordが相次いでFIDO/WebAuthnへの対応を発表。パスワードレスの時代にパスワードマネージャの存在意義はどうなるのか?

そして同社は来月には、1Password自体へのログインもPasskeyを用いて可能にすることを明らかにしています。

ベンダに制約されているPasskeyの利便性を突破できるか?

Passkeyとは、スマートフォンの生体認証などデバイスを用いて安全に生成した公開鍵暗号を用いて、Webサイトなどにログインする技術であるFido/WebAuthnを基盤としています。

その公開鍵暗号を複数のスマートフォンなどのデバイス間で同期できるようにすることで、デバイスの紛失や新しいデバイスへの交換時にも手間なくすぐ利用できる利便性を高めたものがPasskeyです。

参考:パスワードレスを実現するFIDO/WebAuthのさらなる普及へ、新提案を公開。デバイス間でのクレデンシャル同期、Bluetooth経由でのローミング認証器など

しかし現時点で、PasskeyはApple ID、Googleアカウント、Microsoftアカウントに紐付いており、こののいずれかのアカウントに紐付いたデバイス間でのみ同期が実現されています。

Passkeyの登場によってある程度の利便性が得られましたが、現時点では仕方のないこととはいえ、まだ特定のベンダのアカウントによって制約されているわけです。

1Passwordがそこに新たに加わる選択肢として、1Passwordを基にしたPasskeyのデバイス間同期が可能となれば、WindowsやMac、iPhone、Androidなどのさまざまなデバイスを利用する企業やユーザーにとって重要な選択肢になる可能性があります。

現時点でiOSやAndroidなどでそこまでの実装が可能かどうかも含めて、今後の動向が注目されます。

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