データを基にオフィス改善–イトーキ、「Tech×Design」を体現する新製品

今回は「データを基にオフィス改善–イトーキ、「Tech×Design」を体現する新製品」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 オフィス家具などを展開するイトーキは6月9日に説明会を開催し、ハイブリッドワーク下のコミュニケーションや従業員のパフォーマンス向上を支援する同社の製品やサービスについて解説した。同社はテクノロジーとデザインを掛け合わせる考え方「Tech×Design(テックバイデザイン)」のもと、イノベーションを生み出すオフィスづくりに取り組んでいる。

 昨今はテレワークから出社に回帰する動きも見られるが、イトーキが首都圏のワーカー2000人に調査を実施したところ、1週間の平均会議時間8時間のうち、オンライン会議は6.5時間と全体の8割以上を占め、リアルのみで行われたのは1.5時間のみだったという。

 同社は、オフィスでのオンライン会議を支援する製品を複数展開している。例えば、ハイブリッド会議テーブル「Panora(パノラ)」を開発中で、8月中の提供を目指している。ハイブリッド会議では、「会議室にいるリアル参加のメンバーのみで盛り上がってしまう」「オンライン参加のメンバーの様子が分かりにくい」といった課題がよく見られる。

 イトーキはディスプレーと座席の位置関係に着目。Panoraは半円の形を取っており、ディスプレーと平行して設置し、広角カメラを活用することで、会議室の大きさはそのままに、リアル/オンライン参加のメンバーがお互いの様子を十分に確認できるようにした。

 Panoraにより、リアル参加のメンバーはどの位置にいてもディスプレーを確認でき、オンライン参加のメンバーはまるでリアル参加の人々と同じテーブルにいるかのようにコミュニケーションが取れる。立った状態でも会議ができるよう、高さのあるバージョンも用意している。

 また、オフィスでのウェブ会議を支援する「sound sofa(サウンドソファー)」を2023年冬頃に提供する予定(図1)。一般的なソファー席に見えるが、背もたれ部分に吸音性の高い素材を活用しており、オフィスの雑音が会議相手に伝わりにくい設計となっている。テーブルの中央には、半径1メートル以上離れた音を拾わないようにする指向性マイクも搭載。加えて、頭部が当たる位置に指向性スピーカーを設置することで、会議相手の声が漏れにくいようにしている。

 イトーキは、従業員のデータを収集し、改善活動につなげるサービスも展開している。クラウド型サーベイシステム「Performance Trail(パフォーマンストレイル)」では、従業員が自己評価を行うとともに、本人の健康状態から“出せるパフォーマンス”を算出することで、一人一人のパフォーマンスや全社での平均値を可視化する。IoTセンサーを活用した位置情報提供サービス「Workers Trail(ワーカーズトレイル)」では、従業員がPCやスマートフォンから探している同僚の居場所を把握したり、座席や部屋を予約したりできる。

 Performance TrailとWorkers Trailは、2021年11月に提供を開始。同社は現在、これらのツールで収集されるデータを統合するプラットフォーム「ITOKI OFFICE A/BI」を開発しており、2024年初頭の提供を目指している。同基盤により企業は「パフォーマンスが高い/低い従業員はどのエリアにいるのか」といったことが分かり、オフィスの最適化などに取り組めるという。

 イトーキはPerformance TrailとWorkers Trailを自社でも利用しているが、データを収集する際は従業員の同意を得ている。従業員のパフォーマンスを可視化するPerformance Trailに関しては、データを匿名化した上で活用しており、一人一人のパフォーマンスは従業員本人にしか分からない設計にしている。

 同社は本社の特定部門/職種における課題を抽出したところ、「集中している時間が長く、休憩が取れていない」と分かったため、集中スペースだけでなく休憩スペースも用意した。拠点ごとの課題も把握でき、人事部や健康管理部などが改善活動を担っている。例えば、ある工場では「従業員の睡眠時間が短い」「コミュニケーションが不足している」といった課題から、睡眠に関するセミナーを開催したり、食事スペースの改修を進めたりしている。

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